二千円札のススメ

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「ミレニアム」の喧噪と共に、小渕総理の肝いりで流通を始めた新紙幣の二千円札も、2004年を最後に印刷されておらず、日常生活で普通に見かけることはまず無い。

なぜそんなことになったか!? は置いておいて、俺はこの二千円札のデザインが凄く好きなんですよ。

どこが好きかって、顔イラストがドーンと入ってなく、かつ、沖縄の守礼門、裏には紫式部の源氏物語の絵が入っていて、他の紙幣と比較してちょっと異質な雰囲気を漂わせているところ。
それでいて、21世紀にふさわしい最新の偽造防止技術満載なところ。マイノリティでハイテクなのがアツい。

でもそれ以上に好きなポイントは、使って楽しいところ。
この紙幣で支払うと「おっ、珍しい!」って感じで、お店の人と会話が弾んだりする。
そういう店が好きだ。好感度UPである。

払う方としても、どんな顔をして二千円札を出せばいいのか、いちいち考える。
真顔のポーカーフェイスでヌっと出すのが良いのか、「すいませ~ん、これしか無いんで」(そんなヤツおるか?)と恐縮しながら出すのがいいのか、「ほれ!どや!」とドヤ顔で出すのがいいのか。悩ましいところであるが、ここは真顔であくまで普通に出すのがよい。

そもそも、変なお札扱いされてるけど、変じゃないですよ。れっきとした現役の日本銀行券。
明治時代の「大黒」1円札で買い物してるわけじゃないんだから。(ちなみに過去に発行された紙幣は全て使えます)

ちょっとした会話が楽しいという意味で、千円札を2枚出すのと二千円札を1枚出すのとでは、全然意味が違う気がする現状は何とも不思議だ。

で、この二千円札。沖縄では熱心な普及作戦が繰り広げられており、ATMでは「二千円札で引き出し」みたいなボタンすらあるという。その甲斐があってか二千円札の4割が沖縄で流通しているという、地域性のある紙幣となっている。それはもちろん表に守礼門の印刷があるからだけど、裏に印刷されている源氏物語といえば、紫式部。

紫式部といえば滋賀県の石山寺じゃないですか。滋賀県立石山高校出身の自分としては、ここは少しレペゼンさせて欲しいと思うところでもある。

二千円札を使っていると、「どうやって入手したんですか?」というのもよく聞かれる。
これはとても簡単で、銀行に行って窓口で両替すれば絶対もらえるのだ。たいていの銀行では、50枚までの両替は無料でやってくれる。

だから実はレアでも何でも無い。

でもまあ、便利か?と言われれば実際微妙な点の方が多い。自販機はまず受け付けないし、何より、1000円以下のものを二千円札で買い物すると、千円札のおつりが返ってくるのが何となく面倒な感じがする。(当たり前の話だが)

でもそれ以上に、謎の存在感を放つ二千円札。新札発行が終わって10年、いまだ日本銀行の金庫には大量の二千円札が眠っているという。
要所要所で使っていきたいと思っている。