試乗! VW up!

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ついにこいつに乗るときが来ました。ドイツからの大物、いや、小物! 「日本車コンパクトカー殺し」はこれまで様々な国から送られて来ましたが、今度のこいつだけは本気だろう。

VWのup!です。

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実はうちの駐車場の隣のスペースの車がFITからup!に変わって、毎日見てるのだけど、乗るのは初めて。

小さい!マジで! 今時の軽自動車の方がもうちょっと大きいんじゃないか?と思うほど。N-ONEの方が大きく感じる。

軽自動車はデザイン的にボリューミーに見せよう見せよう、この車はチープじゃないぞ~!偉いんだぞ~!というデザインにしようとしてる傾向がある。
特にハイトワゴンのカスタム系はそう。

でもup!に関しては、小さいことを恥じてない。積極的に小さく都市に溶け込むことを考えてるようなデザインなのが新しい。
スマートみたいに奇をてらったりもしない。

だから下手すると掴み所の無い、逃げ場のない難しいデザインだと思う。

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リアはこれ。

フロントと合わせて、このデザインは結構な冒険。ある程度のセンスを試されてる感じもする。

つまり
この車にVWのバッヂじゃなくて、トヨタのバッヂが付いてたら、どう思う?
ってことだ。

同じように見れる?
新しいパッソです! ってこのデザインが出てきても、up!と同じ評価出来る?

自信無いっすなぁ…

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いやでもこのup!、小さくて安いんだけど、上手いことテイストを作ってる。

× チープなのを隠して高級に見せようとする
       ↓
○ チープだからこそできる冒険でポップに昇華してる

にアタックしてる。

これを成功しようと思うと、それなりのデザインセンスと、培ってきたブランドパワーが必要なのだ。

今のVWだからこそ出来ることなのかも知れない。

でもまあそれは主観。VW大嫌い、ダサーい、という人もいるだろう。そんな人から見ればこの車なぞ、吹けば飛ぶ様な存在だろう。

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チープをポップに昇華、という意味では、この内装はいい。

「ボディ同色パネルはザ・ビートルで採用した」という前例を先に作っておいて、これをやるのが上手い。

レトロなかわいさがある。

でもよく見ると、プラスチッキー。素材の良さなんてどこにも無い。
けど、この存在感の強い真っ赤なパネルに全てを奪われる感じ。デザインの力なんだろうなあ。

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4ドア版のup!で面白いのはリアのウインドウ。

こんな風に開く。

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裏側から見たらこう。

この窓好き。

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リアシートの前後幅はギリギリ。

シートの下に足を伸ばせる作りになってるから、滅茶苦茶窮屈という感じでもない。

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で、運転してみると。

まず気になるのが、2ペダルMTなミッション、ASGの挙動。
ギアアップするたびに、カクン、カクン、と失速していく。これ、ATやCVTに慣れた人には駄目だろうなあ。

VWはDSGで確固たるテクノロジーを確立しているのに、なぜ前時代的な2ペダルMTの挙動を許してしまったんだろう。
MTモードで動かせば全く問題無いけど…

あと、3気筒っぽい振動もそれなりにある。軽自動車っぽいところかな。
ただ、ドイツ車っぽいテイストも色濃くて、小さい排気量なのに骨太さがちゃんと残ってる。
ボディの剛性感も含めて、なんか安心できる。

エンジントルクも充分で、モタモタしたりしなかった。

特筆すべきは乗り心地で、このサイズ、この重量とは思えないほど、しっとりとした乗り心地。
凄いなあ。関心しきり。

高速道路走っても気持ちよさそうだ。

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リアシートの後ろは絶壁なので、ラゲッジスペースは奥行き少ない。でも深さアリ。

シティコミューターみたいなコンセプトだろうけど、一気に500キロ走って東京から大阪行く…みたいな乗り方もバッチリ出来そう。フロントシートのみならね。

ポロと共に、VWの今の売れセンのようです。