【ライブレポ】苗場でユーミン見た

バブル華やかだった頃の中学生時代に聴き始めてから多大な音楽的影響を受け、その後聴かない時期もあったけどやっぱり聴いている自分のポップスの教科書はユーミンサウンドです。(こんなのとかこんなの作っていて「どこがやねん!嘘つけェ!」と思う人がいるかも知れませんが…まぁ…)

ユーミンオンリーのDJMIXを作る程度にはファンなのだが、なぜだか長年ライブには一度も足を運ばずだった。それが、何だか今行っとかないといけないような気がして昨日ついに行ってきた!

ライブは21:30スタート、エンドが0:30くらいらしく、電車だとまず日帰りは無理。ホテルに泊まるか、車で日帰りの強行軍を取るかを迫られる。車で帰る場合、凍てついた夜中の三国峠を通らなければならない。豪雪地帯の氷点下である。俺の車のタイヤはノーマル。
この時点でこのライブに行く敷居はもう相当高まってるのだが、それでもいざという時のタイヤチェーンだけを準備して、関越道の月夜野ICを降りてからの三国峠を登った。まずは、往路は暖かくて路面は大丈夫だった。これが復路はああなるとは…

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苗場プリンスホテル自体行くのが始めてなのだけど、超巨大だなぁ。日本一でかいリゾートホテルというのはこれか。そして片側は全面ゲレンデ。無数のレストランが入り、まさに「私をスキーに連れてっ(略」を思わせるのに十分。そして館内BGMは延々とユーミンonlyという。
ホテル館内の古いホテルにありがちなちょっと酸っぱいような感じの独特な匂いと、ちょっと老朽化してる建物、スキーという組み合わせだけで、既に「バブルの残り香」を強烈に感じさせるが、そこにユーミンBGM入ってくるとたまらん空気になるな~(笑)

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SURF&SNOW Vol.32 at 苗場プリンスホテル

ライブ会場であるブリザーディウムはあまり広くなく、さらに今回はセンターステージでそれを取り囲むような座席であり、前から9列目という近い席だった。

ステージの周り、フロアと同じ高さにステージを囲むようにバンドのスペースが配置されており、機材類がすぐにでも触れるくらいの距離でセッティングしてあったのだけど、その物量が楽器屋くらいあり軽く興奮。
バンマスであり、ユーミンサウンドの要とも言えるキーボードの武部さんのブースの機材は、覚えているだけでこんな感じ。(写真は撮れないので勘弁)

オルガン:ハモンド XK-3c (ペダルが無かったように思うので多分)
ちゃんとレスリースピーカー使っていて、トレモロ用のドラムがくるくる回っていた!うおおお

ピアノ:ローランド RD-700GX
エレピや生ピアノはここから出すのだろう。

シンセ:ヤマハ MOTIF XS
MIDI鍵盤としても使っているはず。

横にデジタルミキサー 確かヤマハ 01V96あたりがあり、その下にラックマウントが色々と

ローランド JV-2080
定番すぎる長寿のマルチモジュール。20年選手ですよこれ
ローランド XV-5080
こちらも定番マルチ
ヤマハ MOTIF RACK XS
1Uですね

どの音色がスタンバってるかまでやはり気になるので液晶を覗いてみると、3台ともBrassな音色がアサイン! ユーミンサウンドで多用されるブラスはこうやって複数混ぜてブ厚くしているのだろうか、それとも音色ごとに分けてるのだろうか。

そしてその上に
CLAVIA nord rack 2
があった。シンセでしか出せないような音とかはここから出すのだろう。

MACKIE.のサブミキサーも反対側にあり、その下にさらにラックがあったので、まだ他にも何かあるかも。
そしてRD700の下に多数並べられたペダルの数々… 音色切り替えと音量大小とか用だろう。

この武部ブースを間近で見れただけでかなり興奮。他、ギターブースにも6~7本のエレキ、エレアコと、何種類も積まれたギターアンプがあったり、ホント楽器屋みたいなパーカッションブースとか、開演前にとにかく楽器類にワクワクした。

PA卓と照明のコントロールブースは普段ステージがある場所に設置されていた。
スピーカーはH・A・Bブロック、C・D・Eブロック用にそれぞれ2組ラインアレイされたものと、やや狭いF・Gブロック用に2基ずつぶら下げてあった。センターステージということで音響的にどうなるのか、ちゃんとステレオに聞こえるのか?という不安もあったけど、実際音が鳴ったら凄く音質が良くて最高だった。

ライブは21:30ちょっと過ぎた所からカモメの鳴き声と波の音のSEから始まり、蛍の光の演奏が始まり、そこから1曲目に入る所でユーミン登場。
この日のセットリストはこんな感じ

Sunny day Holiday
オーシャン・ブルー
心のまま
MC
ずっとそばに
心ほどいて
空と海の輝きに向けて
MC
PILGRIMS PROGRESS (プロコル・ハルムのカバー)
青い影 (プロコル・ハルムのカバー)
11月のエイプリルフール (途中で断念w)
夕涼み
生まれた街で (なんとお客さんが飛び入りでピアノ演奏)
MC
やさしさに包まれたなら
恋をリリース
虹の下のどしゃ降りで
Aはここにある
忘れないでね
September Blue Moon
ダイアモンドダストが消えぬまに
BLIZZARD

Nobody Else
ミラクル
MC
さまよいの果て波は寄せる
雪だより
卒業写真

という感じで3時間弱! ヒット曲を意識的に外したような、コアファン向けの選曲な感じだと思う。
緻密なアレンジの数々を完全生演奏で完璧なグルーヴで演奏するバンドがとにかく最高で、そこにユーミン本人のパフォーマンスがあるという、当たり前な事なのだけど、この狭い会場で目の前で行われていることがやはり凄い。原曲アレンジで一瞬入るギターとかSEとかしっかり再現されてるのが緻密で凄い。そんな部分ばっかり聴いているようでアレですけどww

由実さんの、時折搾り出すように苦しそうに出す古い曲の高域ノートと、それをちょっとドキドキしながら円形の客席で見守るファンという図式があり、それでもやはり本人でしか出せない声と歌い方で… まあ本人だから当たり前なのですが、やっと生で見れたことがなにより良かった。

この苗場のライブは今回で32年目・32回目らしく、毎回の名物コーナーとして「リクエストコーナー」があり、お客さんを当ててリクエストしてもらい、ステージでトークをしてから、武部さんのピアノ演奏でその曲を即歌うというものなのだけど、リクエストが来たらすぐにスタッフがその曲の譜面と歌詞のプリントをステージまで運んでくるというシステム凄い。

「11月のエイプリルフール」のリクエストが来て「渋い曲を… これ佳作なのよ」と自分で言って歌い始めるが、歌い出しで躓き気味で、ついに途中で「ごめん、忘れちゃった!」と演奏止める由実さん萌え。あの曲結構ポップで分かりやすい部類なんだけどまさか本人が忘れてるとはw

そして今回のリクエストで凄かったのは、3人目で出てきた若い男性で、荒井由実時代の「生まれた街で」をリクエスト。武部さんのピアノの譜面を覗き込んだところ由実さんが冗談で「弾いてみる?」と聞いたら即座に「はい弾きます」と答えたので、会場唖然&拍手。演奏を始めた瞬間上手さがすぐに分かってまた拍手、由実さんがそれに合わせて歌うという。あの難しい、途中で移調する間奏部分も完璧に弾きこなしており、会場からは大拍手。苗場32年やって初めてのハプニングとのことで、演奏終わったあとも由実さんは興奮していた様子。これは確かに良かったなあ。凄いもの見れたぞ…

しかしトークでの由実さんの残酷な素人いじり&即切り捨ては健在! 序盤の台本がありそうなくらいの堅めのトークではなくこういう素が出ているMCを見ると、ああユーミンにはこれこれ、これがないと、という気持ちになる。

会場の年齢層は全体的に高いのだけど(そりゃ、コアファンだからか…)、自分の斜め前の席にいた初老の女性が、ラストの卒業写真が始まった瞬間に、祈るように手を折り重ねて頷きながら聴いていたのが印象的だった。

0:15くらいにライブが終了して車に戻ると、途中で雪が降ったみたい、かつ氷点下で、フロントガラスの上で雪が凍ってて大変なことに(汗) 
取るヘラみたいなのも無くて、素手でガリガリと取ったら手が霜焼けみたいになったw
そして今度は三国峠の路面がツルツルでやばい… 延々と続く真夜中の三国峠の下り坂をノーマルタイヤでノロノロ走って、何とか無事に月夜野ICに戻ってこれ、そこからはノンストップで帰宅。苗場から自宅まで2時間半で帰ってこれた。新潟県なのに意外と近いな。

苗場ライブ面白かったのでまた行こうと思う。

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長年の協賛 三菱自動車

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すぐ横がゲレンデ

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M3の同人音楽サークルのブース ではありません

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売店が越後製菓推しなのが新潟県グルーヴという感じ