地方の大型ショッピングセンター、その栄枯盛衰

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見よ。この堂々とした佇まい。

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その名を「パワーセンター大津」。1995年に開業した大津市最大のショッピングセンターである。

開業時は「和光電気」「三洋堂書店」「スーパークイーン」「トイザらス」などが入居した。大津の一番の話題だった。それはそれは、10:30オープンと同時に人の波が洪水のように押し寄せてきていたのだ。

何故それを知っているかって? そう、1995年から1996年頭まで、このSCの目玉「和光電気 大津店」でアルバイトをしていたから。土日ともなると、人の波に酔うくらいの客が押し寄せ、何を陳列してもすぐに捌けた。これが巨大ショッピングセンターかと思った。

小売店はどんどん集約される。このSCのある石山?瀬田というエリアでは、一番最初に廃れたのは石山商店街。百貨店である「平和堂」と「パル」に飲み込まれたのだ。しかし1995年以降、その平和堂も「パワーセンター大津」に飲み込まれ、苦境を味わうこととなる。客足をほとんど「パワーセンター大津」に持って行かれたのだ。

大津は90年代後半から急激に発展した。「大津パルコ」「浜大津オーパ」などの開業。近隣の草津にもアルプラザを軸とした「エースクエア」が開業。彦根ではモンスター平和堂である「ビバシティ」が開業した。しかし、まだ棲み分けは出来ており、「パワーセンター大津」の隆盛は続いた。

2003年。「パワーセンター大津」を引っ張っていた「和光電気」が倒産。代わりに関西の電気屋チェーンのトップランナー「ジョーシン」が入居。この頃には、客足は少し落ち着いていたが、まだまだショッピングセンターとして人気があった。テナントの入れ替えなどのサイクルが早く、半年経って行けば必ず新しいテナントがあった。

しかし。開業から13年経った2008年11月、恐怖の大王がやってきた。そう、近畿圏最大とも言われる「イオンモール草津」のオープンである。

「イオンモール草津」、実物を見るととてつもなく巨大な建物である。東京ドーム数個分はあるのだろうか。シネコンやスポーツジムまである。そして、「パワーセンター大津」からほど近い場所に堂々と建造されているのだ。

2008年11月という月は、滋賀県のショッピングセンターシーンにおいて、重要な月となった。「イオンモール草津」の他に、「ピエリ守山」「フォレオ大津一里山」など、メガ級のショッピングセンターが一気にオープンしたのである。

以前からあるショッピングセンターやデパートが、一斉に悲鳴を上げる。
「平和堂」「大津パルコ」「西武大津」「ヒカリヤ」「アルプラザ」etc。しかし、一番打撃を受けたのが、これまで琵琶湖南湖東側のショッピングシーンで我が物顔だった「パワーセンター大津」だった。

何せ、目と鼻の先でのオープン。数の論理が9割以上ある、地方のショッピングセンターの価値において、全ての面で上回る「イオンモール草津」。広ければいい、店が多ければいい。質より量である。人は量を求めてより巨大なショッピングセンターに行く。

何かを買うことが目的ではなく、行くことが目的。晩のおかず以外の物は、「琴線に触れれば何か買っても良いかな」という曖昧なスタンスで、エアロを付けたワゴンRを駆り出し、道路事情が悪く常に渋滞する湖岸道路にイライラしながらも、「イオンモール草津」に行くのだ。
何かに出会える確率は、より巨大なショッピングセンターの方が多いかも知れない。それに対する期待こそ、一番の娯楽なのである。
求めているのは「よりセンスのよい物、個性的な物」ではない。「安い物」をたくさんある中から選びたいのだ。センスを求め出した大津人は、電車に乗って京都や大阪に行くのが普通である。

和光電気亡き後、「ジョーシン」は「パワーセンター大津」の主であったが、「イオンモール草津」のオープンと同時に閉店し、「イオンモール草津」内で新たにオープンさせた。

これで勝負の決着は付いてしまったようだ。
2008年11月。大津市内のショッピングセンターのパワーバランスが、一気に逆転した月。1995年のオープン以来13年間、今日まで隆盛を誇っていた「パワーセンター大津」に何が起こったか。本日撮影したスナップを見ていただきたい。

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「移転」ではなく「閉店」という知らせが、ジョーシンからお世話になったパワーセンター大津側へのせめてもの情けなのだろうか。

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和光電気としての開業当時を知る者として、テナント撤退後のこの状態を見る日が来るとは。

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ベンチを置いても、座る人さえいない。「パワーセンター大津」、客足は体感上、半年前の10分の1だ。土曜の午後でこれだ。

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反対側。ファッション系も閑散と。何度も書きますが土曜日の午後。

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1階入り口入ってすぐ。左側に「トイザらす」、右側に「スーパークイーン」。共に開業時からのテナントなのだが、客足は厳しそうである。

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屋上の駐車場の様子。

周辺では、これまでは「パワーセンター大津」に行く車で慢性的な渋滞が起こっていたが、今は「イオンモール草津」に行く車で激しく渋滞が起こっている。道路のインフラが貧弱なのに、ショッピングセンターばかり建つ。それが今の大津市。

これはもう、緊急事態ではないのか。打開策はあるのか? 昔バイトしていた身としては「パワーセンター大津」に踏ん張りを期待したいところだが、この頂上決戦はとても勝てる見込みは無さそう??

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1976年生まれ、滋賀県大津市出身、川崎市在住。AB型・かな入力。
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