たまにハッとするくらい格好いい車ってあると思う。
このイヴォークは、前情報全く無い状態で、去年のモーターショーで見たのが最初。86/BRZばかりに人だかりが出来ている中、ジャガー・ランドローバーのブースにポツンと展示してあった。興味がない人に別に注目される必要はありませんので! と言ってるかのよう。でもそのフォルムに目を奪われた。
今までのレンジローバーのイメージといえば、角張った、無骨でクラシックな車、だったはず。これはもう文法をギリギリの所まで崩している。このまま市販されはしないだろう、と思っていたが、そのまま出てきた。ヤバイ。
もう、この車はスタイリングに尽きる。5ドアモデルもあるが、3ドアモデルがいい。
屋根は後ろに行くに従ってどんどん低くなり、後ろの窓も狭いったらありゃしない。
でも、それがいい。こんな形、見たことない。
リアから見ても格好いい。フロント、リアともに格好良く、どの角度から見ても連続して格好いいなんて、そうそう無い。
これはもう、イヴォークのデザインがどれだけ良く出来てるかを物語ってるみたい。
間違い無く、世界一格好いいSUVだ。超モダンなのに、雰囲気がある。
こんなデザイン、日本の自動車メーカーが作れるのは西暦何年くらいになってからだろう?
初代ムラーノとジュークがいいセンに行ったと思ったが、イヴォークには引き離されてしまったようだ。
当然他の欧州メーカーのSUVも、この格好良さには及ばないように思える。他のSUV全てが「普通」に見えてしまう。
フロントフェンダーの処理が面白い。ボンネットがフェンダーに合わせて曲線にくりぬかれていて、そこをライトから脇に伸びるラインが一端途切れつつも、その後ろにある黒いの(これはエアインテーク)に繋がってる。
乗ったグレードは「ダイナミック」。基本グレードは「ピュア」という名前だそう。各所がスポーティに差別化されているらしい。
ランドローバーといえば、やはり乗り味。
深さのあるサスストロークで、少々の凹凸など「無かった事にする」ような、超フラットな乗り心地。…と言われてますね。
あれがこのイヴォークにもありました。
橋桁の所の継ぎ目を通過しても、ほとんど何も感じない。こんな乗り味の車があるのだ、と感動してしまう。SUVだからそう、というわけではなく、ランドローバーだからそうなのだろう。そこを哲学としているのだと思う。そしてそれが、超モダンな最新車種であるレンジローバー・イヴォークにも生きている。
これはどれだけ乗っても疲れなさそうな感じがする。
ステアリングの感触も高級。低速域では軽く、速度が乗ってくるに従って徐々に重くなっていく様子が自然。
リアガラスが小さいのでルームミラーからの後方視界は狭いけど、その分ドアミラーが巨大なので、死角は意外と少ない。
エンジンは普通かな。まあ、トルクはあると思うけど特別な何かではない感じ。
ロードノイズも普通レベル。CX-5の方が静かだと思う。
でも何ら困るなんてことは無い。
レンジローバーのエントリーモデルでこれだけの物を作ってきてるというのがそもそも凄い。
まあ、最上級クラスのレンジローバー・ヴォーグは、もうクルーザーみたいな車だからね…
この手前のスイッチで、走行モードを切り替えたりする。
1秒間に1000回、地面の凹凸をサンプリングして、電子的にサスを制御したりしているらしい。すごいわけだ…
狭そうに見えるけど、後席居住性は全く問題なし。頭上も膝の前も余裕があった。これには結構驚き。ただやはり、窓が小さいので暗い。これはしゃあないね。
月面車みたいだ…
しかしずっと見てたくなるくらい格好いいね。
目立つだろうなあ!