箱根の日帰り温泉シーンと、「天山」について思うこと

01

川崎市に住んで13年。首都圏屈指の温泉地、箱根に車で1時間で行けるのは、神奈川県民の特権だと思う。箱根にはもう数え切れないくらいの回数行った。

箱根に行くには、電車か車かのどちらかだ。
電車で行くならば、小田急で箱根湯本まで。そこから箱根登山鉄道に乗る。
車ならば小田原厚木道路の箱根口で降りて、箱根新道やターンパイク、東海道と裏街道、もしくは御殿場側から裏側を上がって仙石原に行ったり出来る。

箱根と言ってもエリアは広く、山全体に無数の温泉が点在している。古くは箱根七湯、今や箱根二十湯と言われる程。しかも場所によって結構泉質が違う。アルカリ単純泉から硫黄系の濁り湯まで様々だ。
それだけ広いエリアにまたがっているため、電車で行くとどうしても時間と行動範囲に制限が出てきてしまう。(その分、飲めるが)

大まかに分けるとならば、箱根湯本周辺は駅からの徒歩圏内でもあり、電車で行くのに適している。
そこから路線バスや箱根登山鉄道に乗り、塔ノ沢大平台、富士屋ホテルのある宮ノ下、ユネッサンのある小涌谷、そして強羅まで行ける。その先は芦ノ湖までロープウエイってのがあるが温泉に行く人はあまり乗らないかな。
鉄道アクセス派にとっておなじみなのはこの地域だと思う。が、前述の通り箱根は案外広く、車アクセス派じゃないと行きづらいゾーンも多い。

例えば須雲川沿線にある湯本茶屋とか奥湯本あたり。湯本茶屋には谷に広いゾーンがあり、ホテルおかだとか南風荘がある。ちょっと登ると天山とかはつはながある。このあたりは電車アクセスだとバスやタクシーを使わざるを得ない。また、数は少ないけど塔の湯姥子、そして仙石原となると、ほぼ車アクセスゾーンだと言ってもよい。


大きな地図で見る

自分の場合、箱根の温泉に行くときはほぼ100%車で行く。なので、一応好きな場所に行ける。

そして、行くときはだいたい夕方前くらいから夜にかけてということが多い。曜日は土日が多く、平日の深夜にもたまに行く。
土日に行く場合、どうしても東名高速と小田原厚木の渋滞が発生するので、そのピーク時間とはずらしたい。東名・小田原共に、下りは午前中に渋滞、上りは17時~20時くらいに渋滞が発生する。できればそこにハマりたくない。

箱根そのもののピークタイムとも出来ればずらしたい。人気の温泉などはピーク時に入場制限がかかったりするし、中に入ったとしても人が多すぎると落ち着かない。
箱根のピーク時間は昼の13時から16時くらいだろうか。その時間を過ぎると多くの人は小田急で帰るか、東名の渋滞にはまりながらも頑張って帰って行く。

宿泊するのならあまりそのようなことは考えなくても良いが、日帰り派の自分にとってはオフピークを狙うのは必然である。

箱根には数多くの温泉があるが、その半分以上はホテルや旅館といった宿泊施設だ。日帰り入浴をやっているホテルも多いが、ホテルの日帰り入浴は大抵16時くらいで終了してしまう。
とすると、あとは日帰り温泉施設のみとなるが、日帰り温泉施設の閉館時刻は場所によってまちまちで、19時だったらり21時だったり23時だったりする。21時の所が多いかな?という印象だ。

どこの温泉に行くか?にもよるが、早い時間の時だったらともかく、20時に箱根に着いて、さあ温泉行こう!となったとき、案外困る。ホテル併設系は全滅、他ほとんどの温泉は閉まったか閉まりかけなのだ。

車で20時に箱根に行った場合。予算は1000円台にて、さくっと入れそうな所といえば、限られてくる。
奥湯本の天山、湯本茶屋の湯の里おかだ天成園くらいしかない。天成園はいつでも入れるが、2400円くらいするのでパスとなる。

と、湯の里おかだか天山との一騎打ちとなる。両方とも23時までの営業、料金は天山が1200円、おかだが1400円となる。あとは好みの問題だろうが、選択肢としてこの2つというのは実に寂しい。

が、車の客を相手に成功するには、広い駐車場が必要だ。土地のない箱根において、広い駐車場を確保するのは至難の業。それだけお金をかけるなら、客単価を上げて、宿泊客メインにして料理も出して…とフルサービスを提供しないと経営が成り立たない。箱根はお金がかかるのだ。

湯の里おかだは、隣接するホテルおかだからの客足もあるが、天山の場合はほぼ天山に日帰りで行って帰る客だけで成り立っている。それもほとんどが車の客だ。そのため広大な駐車場が用意されている(それでもピーク時は入れなくなるが)。

入場料1200円とリーズナブルなのに、行った人なら分かるが、細部まで行き届いた「心地よさ」のデザイン。露天風呂と室内設備の充実加減。まさに価格破壊と言っても良い。
あれだけの規模が満員になりつつも、行った人はほぼ満足して帰る。それが天山の凄さだと思う。
夜も23時までやっているので、東名と小田原厚木の渋滞を避けて帰宅することもできる。
そんな都合もあり、車でカジュアルに遅い時間に箱根に行く者にとっては、必然的に「箱根と言えば天山」になってしまう。

天山の一人勝ちになるのも無理もない。

が、本心としては、もっと色々な温泉に行きたいのだ。閉まってるだけで…

そんな大人気の天山であるが、大人気故の注意点としては、土日と平日とで泉質が異なるということ。温泉分析表にも書いてあるが、天山は土日などのピーク時には循環消毒をしている。それでも湯の汚れを浄化するのはちょっと間に合っていないようだ。

天山には露天風呂のメインの浴槽の2つ、熱い方と普通の温度の方があるだろう。あれは2つある天山の源泉のうち、ナトリウム塩化物泉の方だ。階段状になっている岩風呂と檜風呂の方はもう一つの源泉であるアルカリ単純泉だ。この違いは誰でもすぐに分かると思うが、天山なら是非ナトリウム塩化物泉を楽しみたい。こちらをメインと呼ぼう。

しかし、土日のメイン浴槽の方は、いくら循環消毒をしてるとはいえ、昼間ピーク時の芋洗い状態が続くと、夜になると結構湯が濁っている。
「天山の湯はこういう成分なんだ、濁り湯なんだな」と思いがちであるが、実は汚れだ。その証拠に、あまり人が入らない熱い方の湯と比べてみると、透明度が結構違う。「天山の本当の湯を楽しむなら熱い方の湯」と言われるのは、こういうことだと思う。

天山において湯が綺麗で、完全掛け流しを狙うのであれば、オフピーク時の平日に行くしかないと言える。もしくは熱い方の湯に入るだけの温泉的タフネス精神力を持ち合わせているか。

車でサクっと天山に行ける距離の所に住んでいる人は、是非、平日の仕事終わりなどの日に、天山に行ってみて欲しい。湯の透明度の高さと、循環していないまろやかさに驚くと思うので。

ps.
天山の入り口の玄関前の小道は、なぜいつも濡れているのだろう。謎である。常に水を撒いているのだろうか?

スポンサーです