試乗! トヨタ オーリス RS

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以前、オーリスの1.5についてレビューを書いた

あの時の印象は、正直パッとしなかった。

トヨタが、ゴルフをベンチマークにして気合いを入れて作った車だというから、気合いを入れて試乗に行ったけれど、そこにあったのはヴィッツやカローラと何ら変わりのない、トヨタが昔から作っているユルめの車だった。

でも、オーリスに限っては、上級グレードのRSだけは違うという。

これまでトヨタのRSには騙されてきた。特にヴィッツRS。
トヨタの言うところのRSとは何ぞや?と考えすぎて、布団に入っても寝られない日々が続いた。

そのトヨタのRS感が、このオーリスで前進したのなら、喜ばしい。

さて、一発どんでん返しはあるのか?

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この車は、オーリスRSのSパッケージで、そこにモデリスタというトヨタ純正のエアロやアルミなどがセットで付いてる。だからちょっと厚化粧だ。
でも車の厚化粧は嫌いじゃない。

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オーリスはRSだけが1.8Lのエンジンを積んでいて、6MTモデルしか無い。
さらに、リアのサスがダブルウィッシュボーン化されているという。
トヨタのこだわりを感じる。
これまでのヴィッツRSは何だったんだ、というくらい、明確に違いを出してきた。

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「名ばかりのGTは道を空ける」と、かつてセリカがスカイラインに言い放ったキャッチコピーは、今や、トヨタが過去の自分自身に「名ばかりのRSは道を空ける」と言ってるかのようだ。

走るとどうだ?

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もう、CVTを積んだ1.5Lのオーリスとは全く別の車だった。

CVTとMTとの違いがまず一番デカい。やはりMTでキビキビ走らせないと、楽しいと感じないようだ。(特に俺は)
1.5のCVTがなんだかダルいCVTで、何をするにもワンテンポ遅れた感じになっていたのもネガティブ要因だったが、それが全く無い。

クラッチが遠い&ストローク長いとか、シフトが長いとか、いろいろあるけれど、やりたいことは伝わってくる。

何より乗り心地が最高にいい。一番感じたのはここで。

モデリスタの17インチ履いてるのに、しっとりとして、かつスポーティな乗り心地に関しては、ゴルフを初めとした欧州コンパクトカーのレベルかそれ以上。素晴らしい。

そしてステアリングの感覚。ステアリングのギアレシオが変わってよりクイックになり、ステアリングの素材もレザー+ステッチで、1.5のオーリスのウレタンのものよりも抜群に良い。

エンジンに関してはNAらしい吹け上がりの軽さがあり、音はチープだけど、ブン回して遊べる感じが楽しそう。レスポンスも良い。

ちょっと大きくなって乗り心地の良いスイスポ、みたいな車だなぁという感じだ。

1.5のオーリスとは全然違うじゃないか…

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ただこのRSが、VWゴルフになってるか?と言われると、やっぱり違う。全然違う。
ドイツ車はもっと骨太だし力強さがある。
オーリスは骨太さは無いし、力強さも無い。優しさとキレの良さはあるけど、全体的に軽いし、さっぱりしてる。

ちょっと良い感じのパスタを作ったけど、やっぱりおろしとポンズで食べちゃうのが一番落ち着くよね~とか、オシャレなマンションに住んでるけど和室は一部屋は欲しいよね~、みたいな日本人的落ち着きポイントがテイストとして色濃く残ってる。

ゴルフよりも、ルノー・クリオあたりに近い。フランス車っぽいな、と思った車でした。
どんでん返しでした!