食べて分かった最強の「のり佃煮」頂上決戦!

ついに来ましたのり佃煮ブーム!

国民的とも言える「ごはんですよ!」をはじめとした様々なのり佃煮が、お茶碗のセンターの位置を狙って日々切磋琢磨しておるわけです。
これは食べ比べせざるを得ない!

しかしながら、調べれば調べるほど、のり佃煮の世界はローカルフードの世界でもあります。全国各地には様々なローカルのり佃煮があり、その全てを網羅することなどそう簡単には出来ない… まずはそんな高すぎる壁の最初の第一歩として、メジャーどころを中心に、Amazonや楽天で購入したいくつかの銘柄を11種類をリストアップ。その中から、真のお茶碗のセンターの位置を勝ち取る子を決めようじゃないか!というものです。

ではさっそく評価に入っていきます。

■第1エントリー 「江戸むらさき ごはんですよ!」桃屋

いきなり、食べてる途中の状態の写真ですまないが、日本ののり佃煮シーンのスタンダード「ごはんですよ!」。
一体、ごはんですよ!とは何者なのか?

どこにでも売っている、最もポピュラーなのり佃煮であることは間違い無い。これまでどれだけ、日本の食卓のご飯の上にオンザライスしてきたのか。日本ののり佃煮の歴史はごはんですよ!の歴史でもある。

事実上、この味がのり佃煮の基準となるのだが、どうにも海苔感が薄い。確かに海苔を食べてるのだけど、目が細かいというか、噛み応えみたいなのが足りない。
そして酸味が結構ある。酸味で食欲を刺激して、米をたくさん食わせようという味付けである。
なにはともあれ、全国どこででも手に入る、単三乾電池のような超スタンダードのり佃煮

■第2エントリー 「アラ!」ブンセン

関西地方で強いのり佃煮と言えば「アラ!」と「磯じまん」の2つである。この2つは全く性格が違い、「アラ!」派と「磯じまん」派に分かれると言われ、居酒屋では政治の話・宗教の話・野球の話・のり佃煮の話はタブーとさえ言われている。

そんな「アラ!」。レトロな雰囲気のボトルデザインがイカす商品だが、これもかなり歴史あるものである。

味の第一印象は「甘い」。のり佃煮の原材料を見ると、水飴が入ってるものと入ってないものに分かれるが、「アラ!」には入っており、この水飴の存在感が強い。つまり、トロ~~っとしている。その点でWET寄りである。

そして海苔感は弱い。海苔が薄いというか、水飴の中に溶け込んでるような感じである。
最大の欠点は、瓶のふたが死ぬほど硬くなることだ。

■第3エントリー 「磯じまん」磯じまん株式会社

「磯じまん」は、特に大阪にて人気のあるのり佃煮である。壺を象ったガラスの瓶がレトロで可愛いのが特徴だ。

こちらは「アラ!」とは対照的に、とてもDRY。水飴感がほとんどなく、箸で小瓶の中をディグるといった食べ方になる。その分、ソリッドな海苔感がある。

味の方は全体的に薄味で、出汁が効いており、やや醤油のしょっぱさが勝っているような印象だ。

■第4エントリー 「おかずのり」S&B

大手メーカー「S&B」によるのり佃煮「おかずのり」。チューブ式でとても使いやすいのが最高。箸でほじくりださなくても衛生的!

S&Bといえば食べるラー油の分野でも、桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」に対して「俺たちのおかずラー油」という商品で果敢に対抗しているが、のり佃煮の分野においてはあまり存在感が無い。それでも「おかず」のキーワードを冠したラインナップで攻めている。

味の方は、まず甘さを感じるが、この甘さの種類は「アラ!」のそれとは全く違う。深みの無い、舌先ですぐに感じるカジュアルな甘さだ。そして独特の苦みのような、鰹出汁のような香ばしさがある。これはこの商品の特徴のようで、他ののり佃煮とはかなり味わいが違う。

ただ、あまり深みの無い味わいという感じがした。海苔感はそこそこ。

■第5エントリー 「江戸むらさき 生のり」桃屋

王者桃屋による「ごはんですよ!」の上位概念。江戸むらさきの名にかけて、半端なのり佃煮は作らねえ!江戸っ子の意地見せてやらぁ!といった心意気を感じる紫色のラベルが印象的な「江戸むらさき 生のり」。

これ、すげー良いです。「ごはんですよ!」で感じたチープさがなりをひそめ、海苔感が大幅UP! そして「ごはんですよ!」の酸味も抑えられ、「シンプルに、海苔の味を楽しんでくだせぇ」と言われているような気になる。

そう、海苔ってこうだったよね、咬んだらちゃんと磯の香りが口いっぱいに広がるのが、良い海苔だよね、ということを思い出させてくれる逸品。これはオススメ。

■第6エントリー 「わさびのり」こゆるり屋(鈴廣)

これは小田原ローカルのり佃煮と言える商品。というのも、蒲鉾で有名な小田原の「鈴廣」が作ってるのり佃煮である。

鈴廣と言えばメガネスーパーと対峙する小田原の2大企業のうちの一つで、箱根駅伝の6区~7区の風祭中継地は鈴廣のショップ前というのが定番になっている、あそこである。

他のラインナップと違い、わさびが入っていることが最大の特徴なのだが、わさびの美味さもさておき、海苔がちゃんと美味いのが流石の鈴廣である。

全体的にほんのりとした甘みがあるが、醤油感は弱めで、ほんのりとした中にわさびのパンチを感じながら海苔も感じるという、ダブルでハッピーな逸品。しかしながらネット通販ではラインナップしておらず、買いたければ小田原や箱根の鈴廣ショップに足を運ぶ必要があるのが難点。ちょっとWETぎみ。

■第7エントリー 「四万十川のり」あいさと高知

高知のローカルのり佃煮。高知と言えば四万十川で取れる青さ海苔で、それを使ったのり佃煮商品はたくさんあるのだが、なんせ希少ということもあり、高い。
この「四万十川のり」も、1000円くらいする。他のラインナップが500円以下ということを考えるとちょっとずるい気もする。

しかしながら、数ある高知ローカルののり佃煮で四万十川を謳ったもので、100%であるものは少ない。海苔自体の単価が高いため、他の具材と混ざった商品が多い中、これは完全に100%という物だ。強い。

味の方は薄味で、やや甘みがある。これは、桃屋の「生のり」にて、海苔の良さをシンプルに味わうための味付けと同じものを感じる。そして何より、四万十川の海苔の食感が素晴らしい。噛み応えがあり、存在感のある海苔が、絶妙なバランスの味付けとなって瓶詰めされている。気軽に手に入らない商品だが、ローカルのり佃煮の中ではかなりレベルの高い逸品であることは間違い無い。

■第8エントリー 「大江戸日本橋 生のり」遠忠食品

これ、凄く良いです! 全然ノーマークだったのり佃煮だけど、今回のラインナップの中で、かなりキャラ立ちしてる。

なんせ、超ドライ。そして海苔一つ一つが、デカい、長い、分厚い。その結果、海苔をリアルに噛むような食感が存分に味わえる。このタイプののり佃煮は初めてと言っても良いくらいの衝撃。

味付けは薄く、ややしょっぱさがある程度だが、とにかく海苔の感じを味わいたいなら、今回のラインナップではダントツだ。

■第9エントリー 「小豆島で炊いたうまいもん 天然岩のり」タケサン

小豆島で炊いた」というネーミングがもうエモい。小豆島で採れた、ではなく「炊いた」である。炊くのならどこで炊いても同じじゃないのか?という気もするが、とにかくこれは小豆島で炊いているのであって、そこにエモさを感じてナンボの商品である。

味の方は、昆布出汁が効いており、他のラインナップとは結構方向性が異なる。甘さがわりと強めだが、その甘さは砂糖や水飴の甘さよりも、昆布の甘さが前面に出ていることが最大の特徴。そして適度に海苔感もあるので、昆布のやさしい甘さと、そこそこの海苔感を同時に味わえる。

小豆島と銘打ってるが、京都のスーパーで普通に購入。それほどローカル感は強くないのかも知れない。

■第10エントリー 「のり佃煮 岩のり入り」創健社

これ、かなりWET! ウエッティーです。もう、ドロドロというか。ほとんど液体

味としては甘さ一辺倒であり、方向的に「アラ!」の甘さをさらに進めた上で、「アラ!」のWETさもさらに進めたような具合。「アラ!」好きには間違い無く刺さりそうな逸品。今回のラインナップの中では最もマイルドで優しい味。

原材料の中に水飴は入っていないのが関係しているのか、WETと言っても「アラ!」のような粘りけはなく、サラサラ。瓶を傾けたらそのまま全部出てきそう。
甘いのり佃煮が好きならオススメ!

■第11エントリー 「つくだに屋 のり佃煮」マルシマ

方向性としては「ごはんですよ!」の路線だと思う。酸味路線をひきつつも、「ごはんですよ!」より少しマイルドで、出汁の味の深みがある。
そして「ごはんですよ!」よりも海苔感が強め。

「ごはんですよ!」の味が好きなら、「つくだに屋 のり佃煮」にトライすることで、ステップアップできるだろう。
あまり強い主張の無い味とも言える。

さて、以上11エントリーののり佃煮を食べ比べしたわけだが、分かったのは

  • 佃煮としてどの方向性の味付けで行くか
  • 海苔感をどう出すか

この2つがのり佃煮のキャラクターを決定しているということである。

とはいえ良い海苔はそれだけ単価があり、原価を押し上げてしまうので、そこは佃煮としての味付けを濃い目にすることで、記憶に残るキャラクターを作る、といった感じだ。

そのようなバランスの中で、今回のベストはこれに決定!

「江戸むらさき 生のり」桃屋

海苔感をしっかり味わえるし、味付けの主張がやや弱めに設定されていることが好印象。甘すぎず、しょっぱすぎず、酸っぱすぎず。

僅差は、超ドライで有名な「大江戸日本橋 生のり」。これはもう、海苔として素晴らしいけど、少し海苔過ぎる所があり、やや上級者向けであった。

というわけで、突然ののり佃煮食べ比べでした。