いやー。やっと乗れた! FT-86発表から2年半くらい待った… じらされたな~。プロトタイプではなくて量産型に乗りたかったということもあり。
試乗はだいぶ落ち着いてきて、もう土日の飛び入りでも試乗できる模様です。
やはり写真で見るより実物を見た方が断然格好いいね。
フロントが低いのが特に。
デザイン的に何かを強く押し出してない、素うどんみたいな所が好印象。後からドレスアップしてくれや!っていう楽しみが残されてるということでもあります。
この車はそっちの方がいいでしょう。
リアはフロントよりもさらにロー&ワイドを強調したようなデザイン。
86とはほぼ共通ですね。
乗ったのはCVT車の方。
こういう車はやはりMTで乗りたいものだけど、ところがどっこい! このCVT素晴らしい。完全にノックアウトされるほど。
とにかくレスポンスが良くて自然。「車を動かしてる感じ」がスポイルされてない。レスポンスにストレスを感じることが無い!
レスポンスのいいCVTというとスカイアクティブアクセラのものがそういう感じだった記憶があるけど、あれよりも良いと思う。
パドルシフトも、オマケみたいな物ではあるけど、楽しい。
このセンターコンソールにある、赤いデジタル数字のパネルが、何かレトロ。80年代っぽい。これ結構好きかも。
86、BRZ共に、スポーツカーとしての資質について、どうのこうのと言われているけど、まずこの値段。250万円クラスで、ここまでの物が出来ているということに全力の拍手! もう素晴らしいの一言。
走り出すとレスポンスの良さと車体の軽さ、まずそれを感じる。機敏という感じ。次に半径の小さいステアリングのクイックさと適度な重さ、それとドラポジの良さを感じる。パワフルでガーっと行く車じゃないけど、スポーツカーとしてどれもが「ちょうどいい塩梅」。シートのホールド性、硬さもいい。着座位置も低すぎない。CR-ZとRX-8の間くらいかな。
あと乗り心地がいい。サスがしなやかに動いている感じがする。思ったより全然ゴツゴツしなくて、スムース。なのに低重心だから変なふらつきとか、カーブ時の振り回され感がほとんど無く、安心な感じ。同乗者も不快な思いはしなくても良いだろう。
この辺の感じはカタログスペックに出ないから、乗ってみないと絶対分からない。
面白いのは、アクセルを踏んだら、エンジンの吸気音が車内に豪快に入ってくるところ。
これはわざとやっていて、写真手前、ラジエーターからのロアホースが左方向にも分岐しているが、その先にあるのが音を出すユニット。こいつが、威勢のいい音を作ってくれる。
普通のボクサーエンジンは全然そんな音しないからね。
それを嘘っぽいと言うか、面白いというか、分かれる所かも知れない。が、これは面白いと思う。
これが無ければ「あぁ、普通の快適なエンジンなんだね」と言われるだろう。そもそもその音自体が何かをそそるような、よく出来た音だ。
トヨタとスバルのダブルネーム。
やはりボクサーエンジンはよく回る。上まで気持ち良く、レスポンスよく回る。その機敏な特徴と、ライトウエイトスポーツというジャンルが、絶妙にマッチしてる。絶対的な速さは足りないかも知れない。911みたいに「あっという間に200キロまで出る」ということは出はない。けど、3000回転~5000回転の間くらいで積極的にギアを変えながらワインディングなどを走ってみたら猛烈に気持ちよさそうだ。
全てのスポーツカーの面白い要素がバランス良く組み込まれた車、という印象。ほっともっとの「幕の内弁当・松」みたいに、そこそこの安さで、色んなおかずがちょっとずつ入ったような感じ。まずはこの車だけで当分遊べそう、っていう楽しさがあるね。最初の1台がこの車だったら、その人のその後の車人生はさぞや楽しいものになるはず!!
ちなみに今注文して、納車は1年後だそうです。