暑苦しく長く、意味のない腕時計テキストなので、ぜひスルーしてください。
腕時計マニアでも何でも無い俺が、腕時計について真剣に考えた結果、これは嗜好性と実用性の両方の要素がある何かを買うときに発生する、自分と向き合いだと思った。
腕時計というものは深い。
「ただ、時間が分かったらそれで良い」
という人は、腕時計をじっくりと選ぶ意味など無い。必要ならば、1000円以下で買えるものがいくらでもある。
それでいて、上を見れば青天井。
極端な例を出すとこんなのとか
http://matome.naver.jp/odai/2128894447644848201
これはやり過ぎだが、今日行ったヨドバシカメラの売り場ですら、100万円近い物は売られていた。
1000円と100万円の差って何なんだろうな? って考える。値段差にして1000倍。
そこで考えることはこんなこと。
(1) 腕時計の価値とは何?
(2) 自分が必要としてるのは何?
この連立方程式から機種を選んでいくことになるが、中々難しい。
(1)の「腕時計の価値」とは何だろうか。
機能的価値として、正確に動いてくれることというのがあり、サブ価値としては、秒針があること、防水があること、カレンダーやクロノグラフ、ソーラーや電波時計、など。
さらに、ファッション的価値というのがある。これが結構難しい。「時間が知れたら別に良い」派は、この辺を華麗にスルーできる人でもある。
まず、格好良いと思えること(好みの形、色)。自分の身の丈に合うこと(ハイブランドの服を全く着ないような僕が、腕時計だけカルティエとかおかしい)。あとは周りに通用するブランド力。こういう部分が値段になって跳ね上がるわけですな…
(2)の「自分が必要としてる物」とは何か?
(1)で、世界中の色んなメーカーの色んな腕時計をざっと見て、とてもじゃないがこんな数からディグれないと思ってしまった。「腕時計酔い」である。
そこで必要なのは自分のヴィジョンである。自分は何しにここに来てるのか?本当に腕時計が欲しいのか?どんな腕時計が欲しいのか?
この辺すぐにブレる。人間だから仕方ない。「時計なんて別にスマホでいいや」などと妥協したくもなる。「いや、今日は絶対腕時計を買うのだ」という強い意志が無いと、何も買わずに売り場から去ってしまうのだ。
自分を見つめ直してみた。欲しい腕時計像とは何かを。
・腕時計は、仕事に付けていくのはもちろん、外に出る時は必ず付けている。無いと不安になる。
・時間が狂うのは勘弁してほしい。直すのも面倒だ。
・金属ベルトが嫌い。
・全くスーツを着ないので、フォーマルな感じのモデルはいらない。
・かといってオモチャみたいなのとか、頑張りすぎたデザインとかは好みじゃない。
・チャチいのも嫌。
・大人っぽいのが良いが、おっさん臭いのはだめ。(←難しい)
・メカメカしいのは好き。
・アナログがいい。
・ルーズに使ってもちゃんと動いてくれるのがいい。
・3万円以内。
となった。
ここで、「時間が狂うのは勘弁して」と「アナログで」という条件を取り入れると、高級腕時計とされるものの大半は対象外となる。
なぜなら高級腕時計のほとんどは機械式で、定期的に振らないと余裕で止まってしまったりする。
スポーツカーに乗りたいのにMTは嫌だ、と言ってるのと同じである。
「金属ベルトが嫌い」これも大半の商品を対象外にしてしまう。金属ベルトが全体の7割くらいはあるのではないかと思われるからだ。ホント嫌い。
では、チャチくなくて、大人っぽくて、頑張りすぎてなくて、メカメカしくて、アナログなモデルが、1000円くらいの謎の中国産腕時計が一斉に売っている所に見つかれば、それが良いのか?と自問をし、その売り場を見に行った。
結果、見事にチャチいのしか無い!
1000円で奇跡は起こらないのだ。1000円の時計はちゃんと1000円に見える。3000円の時計は3000円に見える。決して1万円には見えないのである。これは不思議だと思った。
でも、何故チャチいのが嫌なのだろう? これは「ダサい服は嫌」と同じであり、生理的なものだ。人は生理的な嫌悪感と、経済的な余裕との接点を探して生きていくしかない。
結局、「狂わない(電波時計)」「アナログ」「樹脂ベルト」「メカメカしい」「フォーマルじゃない」「子供臭くない」「ルーズに使ってもよさげ」「3万以内」となると、ほんとにG-SHOCKしか選択肢がなくなってしまう。
その消去法に若干の悲しさがあるのは否めない。
G-SHOCKのラインナップは豊富ではあるけど、やっぱりG-SHOCKといえばデジタルモデルが真骨頂だよな、とも思う。
そこで買おうとしてるのが「G-SHOCKのちょっとハズしの大人モデル」ということになる。
「若干の王道ハズシの買い物」・・・ああ、俺はそんなことばかりをしている気がする。
でも、G-SHOCKのラインナップは、落とし穴も多いが、そんな俺みたいなニーズも拾い上げてくれる。
メカメカしさを売りにするG-SHOCKだが、メカメカしさというのは「男の子の夢」であり、言い換えれば「厨二」とも言える。
もちろんカシオはよ~く分かっており、「男の子の夢」を持ち続ける大人を刺激するために、あらゆるテクノロジーとデザインを詰め込んでくるのだ。
この、男の子が驚喜するソリッドなサイトデザイン
http://g-shock.jp/products/
・COMPボタンを押すと秒針が北を指針。パイロットにとって緊急を要する任務遂行時や、想定外の着陸時など、自身の安全を確保するために必要な情報として目標方向のナビゲートを支援する
・2分おきに気圧を計測し、急激な気圧変化を小針とアラームで告示
・GPS受信時に現在地の緯度を小針で表示
誰が腕時計にこんな機能を求めるよ?
ってことだが、それを言ってはいけない。これは「男の子の夢」であり、
「パイロットがするような、プロ仕様のものを身につけることで得られる、精神的コックピット感」
これ。これこそがG-SHOCKを身につけることで得られる価値である。
おそらく本物のパイロットはG-SHOCKなど身につけないのだろう(知らんけど)。
男はいつまでたっても厨二である。それをギリギリの所で隠せるか、が、G-SHOCK選びをする時の難しいところである。
一応G-SHOCKも上を見るとMR-Gという30万円くらいするモデルがあるのだが、これを買う人が一番厨二であると言えるのではないか。そこまで行くとハズシでも何でも無い。
腕時計売り場、中でも特にG-SHOCK売り場は、アジア系の外国人に大人気である。
日本が世界に向けて、男の子の夢を満たすホンモノで過剰な製品を発信していることは、誠に喜ばしい。