マツダとトヨタが提携して、トヨタのTHSを供給する…というニュースから数年。
そしてついに出た、アクセラのハイブリッド。それに乗ることができました。
アクセラのハイブリッドモデルは、バッテリー積載スペースの関係から、セダンのみとなる。ハッチバックのアクセラが好きなだけにちょい残念感があるけど、仕方ない。でもセダンもスタイルがいいなぁ~と思う。個人的にはアクセラはこの3代目が最もスタイルが素敵だと思う。
ただ、サイズもそれなりに大きくなってて、全長4580mm×全幅1795mm×全高1455mmというサイズは、初代アテンザより車幅が大きく、2代目アテンザと同じ幅。そりゃ、立派に見える。
このハイブリッドモデルの特徴は、ハイブリッドだ!という主張が無い所だろう。
エンブレムが青いとかグリルのメッキパーツが派手とか、そういう「先進性アピール」がデザインに一切含まれていない。唯一あるリアのバッヂも「SKYACTIV TECHNOLOGY HEV」と書いてあるだけで、「HYBRID」という文字がどこにもない。
この辺に、「トヨタから提供されたテクノロジーを借りた」ことを売りにはしないという、マツダの哲学みたいなものを感じる。うちはあくまでスカイアクティブじゃけん、トヨタさんのバリューで商売せんけぇの、とでも言いたげなマツダらしい頑固さがあるね。
でも、これが乗ってみてもその頑固哲学がビシーっと貫かれてるものだから凄い。
これがインパネ。でも言われないとハイブリッドだって分からない。プリウスで延々アニメーションしまくるハイブリッドインジケーターも最小限だ。
好感触だったのは、最近流行りの「エコ走行したらメーターパネル周りが盛大に緑色に光ったりする」ギミックが無いこと。あるにはあるが、小さなLEDが真ん中に1つあるだけで、この辺にもマツダの頑固さを感じる。「やっぱ燃費よりZoomZoomでしょ」ということだ。
内装は他のアテンザと同じだけど、これも中々頑張ってると思う。というか、立派になったなぁ~とつくづく感じる内装だ。
で、走り出すと…
もう、プリウスとは全然違うフィーリングに驚く。EV領域からエンジン領域へのつながりが実にスムーズで、ハイブリッド感がほとんど無い。これはホンダのハイブリッドか!と言いたくなるくらいマイルド化してる。そしてシャシーとサスの良さをコーナリングで感じることが出来るのと、ちょっとクイックで走りだすと気持ちよく重たくなるステアリングがまた素敵。走っててとても気持ちが良い。
「同じ素材を使ってこれだけ違うのは、調理方法の差」だということが分かりやすく感じ取れる。車好きに対して「ハイブリッド車はつまらない」というイメージをもたらした部分ってこれまでのハイブリッド車のどこかにあると思うけど、それを払拭するマツダの技術とこだわりが凄いと思える車だった。