試乗記 三菱 アウトランダーPHEV

PHEVって何だ?と、思う人は多いのではないか。

三菱は昔から、新しいテクノロジーに対して、生真面目にアルファベットの略称を作って来た。
MIVEC、GDI、AYC、INVECS、MVV…とまあ色々あるが、そもそもMMCだって略称だ。そういうノリが特に多い。

だからPHEVって何なの、と。どこまでの人がピンと来るのか?分からないが、「プラグインハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル」の略である。略である、と言われて「そうか」となるか? 微妙だ…
KFCといえばケンタッキーフライドチキンだね! くらいの簡単さには、100万光年くらい及んでいない。

PHEVとは、ガソリンでエンジンを回して、その回転で充電しながら走る電気自動車、のことだが、今のところ「PHEV」などと略すしか無いようだ。
つまりそれほど、先進的な車ということである。

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アウトランダーPHEV。
ベースとなっているアウトランダーとは顔が違うのだが、どの辺が違うのか、PHEVの顔を見てしまうとどうにも思い出せない。
元々の顔が薄味である。PHEVはそこに、グリル部を細くしてメッキにして、味付けをしたような具合だ。

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EVであることを主張する。

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充電用の口がある。左は家庭用、右は急速用である。

外から見ても特に何ら特徴は無いが、問題は中身の方だ。

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まずこのメーター。「おおっ!」と思わせる特別感がある。

ヨーロッパのスポーツカーを見た時に感じる格好良さや緊張感といった類ではなく、「最新テクノロジーがここに」感がある。
中央のマルチファンクションと左側の電流メーターが特徴だ。

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センターコンソールのモニターには、ナビの他に様々な情報を写す。プリウスのように、現在どのような状態で走行しているかをグラフィカルに教えてくれる。

そして肝心な走りはと言うと…

車重は重いし、どうせもっさりしてるんだろうな~とタカをくくっていたら、これが速い! ヒューーーンっていうモーター音と共に、どこまでも加速していく。
モーターならではの加速感と、なめらかさ!

あああ。これは面白い。そして気持ちいい。
これで維持費がバカ安なんだから困っちゃう。

本体価格的には内装が少々チープでも、外から見たらフツーの車でも、これだけメカ部が頑張っていたら十分だ。

車は「最新メカであること」を重視していて、そこにお金を払うぜ!という人にとっては、アウトランダーPHEVは最強の車であると思う。

これは欲しい。

ただ、「PHEV」という名前にキャッチーさが無くて何のことか分かってもらえて無い感だけが勿体ない。せめて「マイベック」みたいに読める名前は無かったのかな。ピーエッチイーブイ、て。