低価格で車のオーディオの音質を超絶にupさせる方法

車のDIYをはじめてから、ずいぶん車のオーディオ関連に慣れてきた僕です。

ほとんどの人が、買ったときの状態のままオーディオを使ってると思いますが、その中でも音楽好きな人は、「もうちょっといい音だったらなぁ」と思いつつ、「カーステ入れ替えとか金かかりそうだしなぁ、面倒くさそうだしなぁ」と諦めてるのでは、と思います。

いえいえ、金なぞ全然かかりません。あ、ちょっとはかかります。でも、ちょっと。

そこはDIYでやってしまいましょう。なんちゃらバックスとかに頼むと、結構しますよ。

車のオーディオの音質を良くするには、3つの要素があります。

(1)スピーカー
(2)デッドニング
(3)ヘッドユニット

この3つ共にアップデートすることが一番理想です。

順に説明しますと

(1)スピーカー
これが一番影響力を持ちます。純正で装着されているスピーカーを、一度外したことがある人なら分かると思いますが、とにかくしょぼいのです。

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こういうの

スピーカーがどういう理屈でいい音を鳴らすか?という説明は長くなるので省きますが、見た目がしょぼいスピーカーは音もしょぼい、これはほとんど例外のない定説です。
なんせ、紙っぽい。そしてマグネットが小さい! 何となく音が鳴る、みたいな感じですね。

純正でも低域だけはボッコボコ鳴ったりすることがありますが、それは「嘘の低域」なんです。これは(2)で説明しましょう。

スピーカーとリスニング環境の関係として、車というのは凄く狭いフィールドであり、音は部屋みたいに反響せず、ほぼ全てのダイレクトに入ってきます。

音というのはその特性として、高域になればなるほど直進性が増します。反響しない「車」という空間の中では、足下にあるスピーカーから高域の音を発しても、足下空間で吸収され、全部は耳まで届いてきません。まずこれが根本的な問題。

なので、高域を発するツイーターをなんとかする必要があります。ツイーターを分けて(セパレート)、Aピラーやドアミラー裏などに別途装着するか、向きが変えられるツイーター付きのスピーカーにするか、など。高域がバシっと決まれば、とたんにクリアな音になります。
純正スピーカーではツイーターは無いことが多いので、高域の音はほとんど再生されてないです。

逆に、低域は指向性がないので、ウーハーなどはどこに設置してもだいたいOKです。

そしてマグネットも強力なので、ドン!っていう強い音がドゥォン…ではなくてちゃんとドン!と鳴ってくれますし、音が正確なものに近づくので、ボーカルはちゃんと真ん中で歌ってくれるようになります。

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ちょっといいスピーカーの一例。もう、見た目がダンチ

セパレートスピーカーならネットで2万円もしないと思うので、さっと買って自分で取り付けましょう。全車種対応の取り付け表なら、アルパインのページにPDFが用意してあって親切です。
ドアを取り外してネジを外すだけなので想像よりずっと簡単です。

(2)デッドニング
これはやってみて初めて分かりました。全然変わりますね。
何かと言いますと、スピーカーは普通ドアの裏側に付いてますが、スピーカーの振動がドアに伝わってエネルギーが分散してしまうことや、ドア自体がビンビンと共鳴したりすること、そしてドアの内部空間で妙に反響することを防ぐことです。

特に重要なのが、ドアの内部空間での音の共鳴を防ぐことだと思います。最近の車は、衝突安全のために、ドアの内部にビームと呼ばれる強化棒みたいなのが入ってたりと、結構な空間があるんです。

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ドア内部

この空間がくせもので、ここに低域の成分が反響して、妙に増幅されるんです。意図していないバスレフ方式、みたいな物です。
だから純正のスピーカーでも、ある程度モコモコと低音が鳴るんですね。

でもその低音は偽物! たまたま増幅されただけの物なので、クリアさに欠けます。キックとベースの音が明確に分かれてない感じ、どこでキックが鳴っているか分からない感じ、といえば分かりますかね。

なぜそうなるかというと、位相のズレが原因です。音というのは波なので、そのまま耳に入ってくるのが理想ですが、波は反響すると耳に届くまでに時間的な差異が発生します。それにより、低音成分の波の山がズレズレになった状態で耳に届くため、モコモコとわけわからん低音になるんです。これを位相のズレといいます。純正のまま、または単にスピーカーを変えただけだとほとんどこの状態です。

これを防ぐためには、ドアの中に潜り込む低域を殺してやる必要があります。
具体的には、スピーカーの裏側の空間に、このような吸音素材を敷き詰めます。

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スタジオとかでよく見るアレ

すると、不要な低域がすっかりと綺麗になり、信じられないほど引き締まった低域が出るようになります。ちゃんと真ん中の定位でビシーっとキックやベースの音が出るようになり、それぞれの分離が一気に良くなります。デッドニングはまずここからかな?と思います。

防振シートは余裕があればやるといいと思います。

(3)ヘッドユニット
ヘッドユニット、つまりアンプとプレーヤーですが、ここは後回しでも問題ない部分だと思います。が、確実に効果が出て来るものでもあります。
一番変わるのは、低域と高域の鳴る幅の差がグッと広がるのと、それぞれの音の解像度が上がって、細かい所まで聴こえるようになるという点です。

最近はiPodやiPhoneをソースにしている人が多いと思いますが、ちょっと前の純正オーディオにはAUX入力が無いので、FMトランスミッターを介することが多いと思います。それはもう最悪で、全てを台無しにしているのと同じです(笑)
本当にクリアな音で聴きたいのなら、

1.AUX端子付きのヘッドユニットに交換する
2.USB端子付きのヘッドユニットの交換する

のがいいと思います。1と2だったら、デジタル転送してヘッドユニットの中でD/A変換する2の方が音質は良いです!(同時に充電も出来るし)

そうすると、ソースの音質にもこだわりが出て来ると思います。過去に128kbpsでMP3を作っていた自分を恥じる日がやってきます。Apple Losslessなどでエンコードするのがベストでしょう。

ちなみにヘッドユニットは上を見たらきりがない世界で、ハイエンド指向の人はアンプと本体を分け、スピーカーケーブルも変えますね。

という感じでしょうか。まずはスピーカーをセパレートに、その次はスピーカーの裏側に吸音材、この2つで劇的に変わります。スピーカー取り付けバッフル、ハーネス類、ツイーター取り付けよう工具(電動ドリルとか)、吸音材など一式て3万円くらいだと思うので、カーライフにおける音質を変えたい人は是非やってみてはいかがでしょう。