弊ブログ「本店の旅」は、2008年1月に投稿した「餃子の王将 1号店」が一番最初の記事で、今年で開設10年となりました。
その間には、数ヶ月間も音沙汰無し!みたいな倦怠期が数回ありながらも、放置することなく、じわじわ更新を続け、今は登録店舗が220店舗くらいになりました。
グルメともサブカルとも判断できないニッチジャンルの「外食チェーン店の本店を巡る」ブログというのは他にもあるようなのですが、おそらく弊ブログの独走状態だと思います。PVも良い感じに伸びてきて、広告収入がやっと交通費の助けくらいになってきました。
昔、口コミグルメサイトのWebディレクターという仕事をやってたことがありました。
PVを伸ばし、使いやすいサービスに様々な施策を…という当時の仕事は今になって役に立ってます。
そう思ったのは、「本店の旅」の記事が増えて、「本店には何があるか」という本来の情報の他に、「こんな地方に発祥したこんな店がある」という情報にもまた価値があると感じ、そこにたどり着くために「都道府県リストから店舗までナビゲートする」というフローの組み立てが重要と感じてからです。
あ、これは昔、同じ事をやっていたなと。
検索ワード、ページのキーワード、関連ページ、インターフェース…
なぜそんなナビゲーションが重要なのか?
というのも、まず自分が巡った全国の外食店の本店は間違い無く100%「美味い」と感じた店しかないわけです。
何店舗もチェーン展開するくらいだから、そこは「地元での成功体験」という高いハードルを乗り越えた店舗であり、本店はその基準となる店舗だから「美味い」のだと思います。(もちろんそれだけではないですが)
でも、めちゃくちゃ美味いのに、「その地方でしか知られていない店舗」の何と多いことか、とも同時に感じたわけです。
今、東京の人が一番知っていて、行きたいと思ってる人が一番多い地方チェーン店は、静岡でのみ展開するハンバーグの「さわやか」ではないでしょうか。
そのブレイクは色んな要因やタイミングに、嗜好性の高いジャンルや静岡という地勢的なものが重なって生まれたと思いますが、日本中には「第二、第三のさわやか」となるべきお店は、実はゴロゴロ存在してると確信しています。
他の地方チェーン店としても東京での「火の付け方」については、様々な研究と調査を経て戦略立案しているはずで、「地方のチェーン店なのに都内に1~2店舗だけ出店」という戦略が多いように思います。たくさん出すと、東京で一気に消費され、みんなに「いつでも行ける」と思われて、すぐに飽きられ陳腐化するというのを分かっているんでしょう。
そうやって東京進出に失敗し、地方に戻ったチェーン店の何と多いことか…
これは、コモディティ化させないためのブランド戦略というやつだと思います。
「さわやか」が長けてるなと思ったのは、社長自ら「静岡県外に出ると、ハンバーグの新鮮さが保てないから出ない」と発言したことです。これだけ物流が進化した今、それが本当か嘘かは分からないですが、わざわざ発言することでブランドが強化されていくのは間違い無いでしょう。東京で消費されないための正当な理由として、発明級の発言だと思います。もちろんハンバーグがとびきり美味いのは疑いようがありませんが。
「さわやか」は全国的に知名度を得た希有な地方チェーン店となりましたが、まだそこまで知名度を得てない(けどめちゃくちゃ美味い)地方チェーン店を新たに知る方法って本当に無いな、とブログを書けば書くほど痛感しており、このブログがガイドになり、誰かが店舗記事をシェアしてくれたりして、それを見た人が興味を持って行ったことの無いような地方に出かけたりする切っ掛けになると凄く意義があるなぁ、とか思ったりして、それなりの熱さをもって書いております。