J-POP DJのメモ vol.1 ~そもそも編~

J-POP DJって、誰も教えてくれない

はいこんにちは。BUBBLE-Bです。
DJ活動を始めていつの間にか20年くらい経ってしまいました。ずっとJ-POP DJでした。

なぜJ-POPでDJをするようになったのかと言うと、90年代末の当時、サンプリング(ナードコアとかハードコアテクノ用)の素材として8cm CDをワゴンセールで買い集めていて、いつの間にか何百枚も揃ったのです。

ある日DJをする機会が回ってきて、CDJの使い方もよく分かっていない(CUEボタンの使い方が分からず、曲を止めるのに毎回PLAY/PAUSEボタンを押しており、ダダダダダと曲の頭出しの音が出てしまったりしていた)のに、その大量の8cm CDを持ち歩いて現場で選曲するのは何か楽しい。しかも当時、J-POPをクラブでかける人なんて周りにいなかったので、何をかけてもウケる。そんな所に味をしめたのが始まりでした。

そのまま現在に至る(20年分端折った!)わけですが、その間、素晴らしいDJを見て衝撃を受けることは数あれど、誰かに直接テクニックを教わったり、DJの教本を読んで勉強したりしたことは無く、専ら現場に出ては失敗、現場に出ては失敗という、恥と痛みを重ねているうちに何となく出来るようになっただけなのです。

まあでも、誰しもそんな感じですよね。失敗も含めて楽しいわけだし。

DJ始めて20年くらい経った今、40歳を超えたので、もうちょっとで老人です。そうなると年金生活で毎朝ゲートボールをする生活が始まるのですが、物忘れが酷くなり、TRAKTORの使い方を忘れる前に色々とメモっておこうかと思い、全部で6回に分けてJ-POP DJについて書いてみます。

J-POP DJのメモ vol.1 ~そもそも編~
J-POP DJのメモ vol.2 ~ジャンル編~
J-POP DJのメモ vol.3 ~選曲編~
J-POP DJのメモ vol.4 ~機材編~
J-POP DJのメモ vol.5 ~ライブラリ編~
J-POP DJのメモ vol.6 ~ミックス編~

ちなみにこれは指南書でも、これが正しいとか基本だよって啓蒙する話でもなく、あくまでも「個人的な経験に基づく話」なので、全然ちげぇよ!何だそのやり方は!って人も当然いると思いますが、そう思ったら読まない方が良いかと思います。自分のDJはいまだに下手で迷いがあるので、その整理のために書いているようなものです。そもそもDJの上手い人はこんな事をタラタラと書かないでしょう。

そもそもJ-POPって何?

J-POPとは何か。これ、定義が非常にボンヤリとしているので難しいです。
そもそも聞く人によって定義が違います。

まず間違い無く言えるのは、日本の音楽です。
その中でも「ポピュラーミュージック」で、「日本語で歌っているもの」がJ-POPと言えるでしょう。
あくまでもおおまかなくくりです。

「J-POPなんて言葉は、昔は無かったぞ」というのも真っ当です。諸説ありますが、J-WAVEというFM局がバブル期に作り出した言葉とも言われています。つまり、それより前の時代にはJ-POPなんて言葉は無かったし、当然その時代の音楽はJ-POPとは呼ばれていません。「はっぴぃえんど」「山口百恵」「オフコース」はJ-POPなのか?と言われると、違和感があるのは時代のせいです。

また今の時代の音楽であっても、「X Japan」はJ-POPか?「矢沢永吉」はJ-POPか?と言われると、「いや、あれはロックだろ」となります。この辺の線引きはとても難しいのですが、あまりにも考えすぎて潔癖になると自省を繰り返して鬱になってしまうので、便宜上はJ-POPと言うけれど、広く「日本語楽曲」ということにしましょう。

クラブでJ-POPをかけるということは

クラブには様々なジャンルのパーティがあります。
いまでこそJ-POPのみならずアニソンのパーティも数多くありますが、かつてはJ-POPのパーティどころか、J-POPをプレイす人すらほとんどいませんでした。

それは、クラブとはダンスミュージックを楽しむ場所であり、J-POPはダンスミュージックではないからです。

他にも様々な理由があると思いますが、クラブでJ-POPをかけるという行為は、ダンスミュージックを期待して来ているお客さんや、お店の音楽ジャンル的なコンセプトを裏切るような行為だったのです。

お店の音楽ジャンル的コンセプトというのは、「ウチはヒップホップ中心のハコ」「ウチはハウス中心のハコ」「ウチはテクノ中心のハコ」「ウチはおしゃれな音楽のハコ」といった感じで、何となくのコンセプトがあったりして、そのコンセプトに共感したお客さんが、その音を求めて集まったりするものです。

音(ジャンル)をハコの雰囲気に合わせるという意味では、J-POPの居場所なんて当初はどこにも無かった所から始まっているわけで、アニソンも含めてパーティが多様化した今を感じつつも、真っ当なダンスミュージックがかかる場所でJ-POPをプレイする行為に対しては、いまだに何となく負い目を感じます。そしてそれが面白いとも言えます。

Vol.2に続く