滋賀にUターンして3ヶ月。
とにかく田舎には土地がある。
一面が田んぼだったり、畑だったり、とにかく土地がありまくるのだ。
そんな中、「えっ、こんな所に?」と言いたくなるロケーションのところに、コンビニが1軒だけあったりする。
その姿はまるで、荒野の中のオアシス。
そんな、ポツンと1軒だけあるコンビニ… 通称ポツンビニを見つけたら、用事がなくても立ち寄ってしまう。
こういうコンビニ、まさにポツンビニだ。
これは、セブンイレブン信楽町中野店の姿だ。
周囲の地図を見ても、スカスカ具合がとても良い。
航空写真も、かなりたまらん感じになっている。
奇しくも地名が「中野」。
誰もが、「あ、ブロードウエイのある、サブカルの聖地か」と思うであろう名前だ。
もちろん、そんな場所とは1ミリたりとも関係のない中野である。
セブンイレブン信楽町中野店は、中野の交差点に隣接した角地という一等地にある。
長距離トラックでも10台は停められそうな広大な駐車場が、西日に照らされる。
せっかくセブンイレブンに来たので、今話題のこれを食べてみようかと思う。
これが、ストリート…
あああ、ストリートが無い。ここにあるのは、田んぼだけだ。
しかし、ここで食べる惣菜、かなり美味い。
これは、登山して山頂で食べるカップ麺は、地上で食べるよりも美味いという、マウンテントップ・グルメ・テクニックに近い。
おそらくここでならタバコだって美味いし、酒だって美味しいだろうし、WiFiだって速いに決まってる。
ポツンとあるコンビニの時代はすぐそこまで来ている。
次のお店はこちら。
おお、これぞポツンビニ感満点!
滋賀は近江米という米を作る田んぼが多く、こう見えても田んぼが多い。
琵琶湖と田んぼと平和堂しかないと言われても反論できないほどだ。
わざわざ田んぼの土手まで歩いて引いてから写真を撮り、ポツンビニ感を増幅させてみた。
こちら、野洲にあるファミリーマート 中主堤店。
どうだろうか、この地図。浜街道沿いの、堤交差点の角地にあるが、その周辺は見事に何もない。
都会でコンビニを出店するのなら、駅前などの人通りが多いところを狙うのが定石だろう。
それがどうだ。駅どころか、家がない。そもそも、人が歩いていない。
電気が来ているのか?上下水道はあるのか?と不安になるくらいポツンとしているではないか。
空中写真もいい。まさにポツンと1軒だけあるコンビニ、ポツンビニそのものだ。
東京の人が「高輪ゲートウェイの駅前には何もない」などと言っているらしいけど、本当に何もないこの地に降り立ったら鼻から泡吹いて耳から汁が出て卒倒するに違いない。
コンビニの向こう側にあるのは、延々と続くビニルハウスの群れだ。
イチゴなどを栽培しているのだろう。
かといってここで採れたイチゴが横のコンビニに並ぶわけではないので、関係がない。
でも、イチゴミルクでも買ってみよう。
「これは向かい側にあるビニルハウスで、朝に採れたばかりのイチゴを使ったドリンクだ」と自分に言い聞かせて飲んだら、結構美味しく感じられる。これぞテクニックだ。
無果汁って書いてあったけど。
このようなコンビニだけを延々と巡ってみたい。
究極のポツンビニは、どこにあるのだろう?