大学時代の後悔話

大学生時代の同級生の友人と、10年ぶりくらいに会った。
駅前の鳥貴族で飲んだ。

その友人はSNSなどを全くしない。
久しぶりに会って、お互い老けたことを確認し、昔話が盛り上がった。

昔話は、大学時代の話となる。

僕も友人とも、あまり積極的なキャンパスライフを送ってこなかったタイプなので、記憶が薄い。
大学に関する思い出が少ないのだ。

僕は大学入学と同時にアルバイトを始めて、そのお金をテクノを作るための音楽活動に費やした。
アルバイトしてテクノを作り、たまにライブ、その繰り返し。
それはそれで今に繋がってるのだけど。

「就職すれば忙しくなるから、音楽活動なんかできなくなる」
そう思っていた。

だから何のサークルにも入らず、授業も留年しないため最低限の単位を取っておくだけ、という感じで4年間を過ごした。
なんとも意識が低い。

大学ではプログラミングを学ぶソフトウエア工学を履修したが、そんな過ごし方をしていたせいで、モノにならなかった。
第二外国語には中国語を選んだにもかかわらず、いまだに喋れない。

あれだけ大規模な図書館があったのに全然利用せず、その道を究めた教授がたくさんいたのに授業と研究室以外では何も接点も無く、総合大学だから他の学部の授業にも忍び込むことさえできたのにせず、なんて消極的だったのだろう。

勿体ない。
親が払ってくれていた年間100万円を超える高い授業料は、会社に入る時に「大学を出た」という称号を得るために買ったものではないのに。

でも当時は、周りの雰囲気に流されていた。

教室では常に後ろの方に座り、なんとなく過ごした。
「だるい」「面倒くさい」と言ってるのが格好いいと思っていた。
意識高くやってるやつは格好悪いと思っていた。

学年に何人かは、意識が高く、やる気があるやつがいた。
そいつらは授業では必ず前の方に座り、質問には手を挙げていた。

周りの仲間と一緒になって、そういうやつらをバカにしていた。
うざいだの、気持ち悪いだの。

ESSなる英会話のサークルに入ってるやつもいた。
なんで授業が終わってからもまた英語なんだよとバカにしていた。

いやいや自分達こそ、やる気のないバカ学生なのに。

今思えば変な話で、自分で受けて、自分で学部を選んで入ったくせに、「だるい」「面倒くさい」って、どこからその言葉が出てくるのだろう。

大学を出たら死ぬほど働かされるし、音楽活動だって大学を出てからの方がドップリやったわけだから、もっと大学を活かせば良かった、もっと専門知識を身につければ良かった、もっと教授と繋がれば良かった、と今更思うばかり。

ソフトウエア工学を履修したのは就職では有利だったかも知れないが、それ以外はいっぱい抜け落ちていたなと。
そしてもっと、文系方面の授業に忍び込んだりしたかった。経済のことや社会のことも習ってみたかったなと、今になって思う。
あと、大学内のサークル活動をやっておいた方が良かったな、とも。

今の大学生はどんな感じか知らないけど、大学に入ったら大学の機能や人をフルに使いこなして、授業料の元を取った方が絶対いい。
そんなことを、旧友と鳥貴族で飲みながら思った。

(大学写真は学生当時、カシオQV-10で撮影したもの)