J-POP DJのメモ vol.3 ~選曲編~

J-POP DJについて、何となく思っていることを書くシリーズ第3回目!
まだDJ準備段階の相変わらずちまちました話です!

(バックナンバー)
J-POP DJのメモ vol.1 ~そもそも編~
J-POP DJのメモ vol.2 ~ジャンル編~

選曲に王道や答えは無い?

「この曲をかけたら絶対盛り上がる」

そんな曲があったら便利ですよね。盛り上げたくなったらその曲だけをかけていれば良いのだから。
残念ながらそんな魔法のような曲は存在しません。

でも、それに近い曲はあるかも知れません。それは、みんなが今一番聴きたい曲、好きな曲、でしょう。
今年はDA PUMPのUSAがヒットしましたが、あの曲が口コミで「ダサい!ヤバい!」と広がっているようなタイミングの時などは、感度の鋭いDJならば気づいて真っ先にプレイして盛り上げていたでしょう。

そういった一時期的な物はあっても、やっぱり選曲に「王道」や「答え」は無いと思います。それはJ-POPというジャンルは現在進行形でどんどん新しい曲が作られ、流行りはどんどん生まれ、そしてどの世代もそれぞれの時代の曲を知っているというものがあり、幅が広すぎるからだと思います。

そんな中でも、時代を超越する「アンセム」的な曲は存在します。
誰もが知っている、みんなが盛り上がれる曲たち。

例えばCHAGE and ASKA「YAH YAH YAH」なんかはアンセムと言えるでしょう。(あくまで例えです)
DJタイムの一番盛り上がる一番良い所で使ったら大合唱が起きるくらいのアンセムです。

じゃあ、最初から最後まで、YAH YAH YAHみたいに大ヒットした曲だけでDJをすれば良いじゃないか?と思うところですが、これをやると没個性になるんですよね。
200万枚以上売れたような「誰でも知ってるヒット曲」というのは、曲数もそんなに無いので、誰しも同じような選曲になってしまいます。それこそ、カラオケ大会みたいになります。
芸人さんのようにトークスキルがあれば、ベタベタなヒット曲をBGMにしてマイクで面白いことを言ってれば盛り上げるんでしょうけど、残念ながら無理ですね。

やっぱり選曲に王道や答えは無いのでしょうか。

でも「自分の王道」というのは作れるんじゃないかと思います。
DJの最後の方でよくかける曲とか、この流れだったらこの曲に行く、みたいな自分オリジナルのパターン。

それを続けていくことで、自分にキャラが付き、お客さんに求められるようになれば最高です。
そうなると、自分の作った王道が本当の王道となります。

DJに答えはないけど、「自分の王道」なら作れるのではと。

目の前の人が答えを持っているかも?

「答えはない」と言っても、ブースの前に人がいれば、その人が好きな曲というのが答え、かも知れません。

たまに次の曲をプレイし始めた瞬間に、バーカウンターにいるお客さんが「キャー」(女子)とか「ウォー」(男子)とか言いながらドリンク片手にブース近くまで走ってくることがあります。
それは、かけた曲がたまたまその人の「答え」だったから。
ここ1年だと女王蜂の曲をかけた時に女子の「キャー」率が高い印象がありました。なんかあるのでしょう。

でもそれは、単なる偶然。その次の曲になった瞬間、彼女・彼らはまたバーカウンターに帰っていく、という経験が何度もあります。
自分のDJに実力があるからモテたのではなく、その曲がモテただけですね(泣)
まあでも、何もないよりは全然いいですね。

またこれは10年以上前のことなのですが、それまでオシャレめな音楽で盛り上がっていたフロアに、自分のDJでX Japanの紅をかけて、ドン引きさせたことがありました。
潮がひくようにサーっと人がいなくなり、フロアのDJブースから見えるのはフロアの床に写ったライトの反射だけでした。
YOSHIKI渾身のハードなロックナンバーである紅はオシャレ音楽にはなじめず、紅に染まったこの俺を慰めるやつは一人もいなかったのです。
バックトゥザフューチャーでマーティがライブ会場でドン引きさせ、「まだ君たちには早すぎたかな」と言った一言が頭をよぎりました。俺、あれだ。

しかしその後モードを変えて、当時話題になっていた卓球映画「ピンポン」の主題歌であるスーパーカーの「YUMEGIWA LAST BOY」をかけたところ、上述の女王蜂の時のような感じでお客さんが「キャー」「ウォー」と言いながらフロアに戻ってきてくれたのです。

これはDJの実力ではなく曲の力ですよね。(紅は曲の力がありすぎた)

それを見て、その箱のオーナー氏から「押してもダメなら引いてみなですよね」と言われたのが印象に残ってます。
「ダメなら」って…

DJというのはお客さんとのコミュニケーションだ、とよく言われますが、こういうことなのでしょう。
何かの曲をかけて盛り上がったら、その反応を見てまた曲を選んでいく。この繰り返し。

でも、箸にも棒にもひっかからないことをしていては誰もDJを聴いてくれず、コミュニケーションも糞も無いので、ある程度は目星を付ける必要もあるでしょう。
つまり「そこにいる空間の人たちは、どのような音楽を好むのか?」に、想像力を活かしてアタリを付けることです。

さっきアジカンで盛り上がってたからちょっとサブカル臭のするロックが好きなんだろうか?
とか
山下達郎の曲で盛り上がってたからシティポップとかおしゃれな感じの音が好きなんだろうか?
とか
WOW WAR TONIGHTで合唱していたから、90年代のベタな感じでも行けるな?
とかです。

それをするには、他の出演DJがどんな曲をかけて、フロアがどうだったか?というのも、ある程度見ておくのが良いでしょうね。
以上はあくまでも「選曲の答えを探す場合」にはです。
あんまりそればかり意識して、自分のやりたいことを見失なうのは本末転倒なので、ほどほどに。

歌詞も選曲の要素

そう、これはJ-POP DJで結構重要な要素だと思います。

特に「季節」に関して、ちゃんとしたい。
真夏の暑いときに、広瀬香美「ゲレンデがとけるほど恋したい」とかをかけるのはズレてない?ということです。

洋楽だと英語で歌ってるから、たとえ冬の曲をかけていてもあんまりバレないと思いますが、日本語楽曲だったら季節モロバレ。
DJセットの中でこの辺の統一感は欲しいところですね。

あとは結婚式2次会DJの時に、別れの歌とか不倫の歌などをかけないこととか。

そういう気遣いを求められるのもJ-POP DJの独特なところだと思います。

Vol.4へ続く