ピエリ守山と、移ろいやすい滋賀県人の興味 ~衰退より復活の方が断然凄いという話

1995年の大学1回生の頃の僕は、瀬田のパワーセンター大津にあった「和光デンキ」でバイトをしていた。
その時は土日にもなると、10:30の開店と同時に波のように押し寄せてくるお客さんの渦をいかに捌くか、みたいな感じで、和光デンキの他にもトイザらスも含めて、とにかくパワーセンター大津という場所は注目すべきショッピングセンターだったのである。

それから少しして、膳所に出来たパルコ大津店。ここも当初は物凄い人の波で、とにかく大津の中心はここである、くらいの勢いだった。折しも映画「タイタニック」が上映され、パルコの映画館に家族で見に行ったのだが、満員だったのを覚えている。

さらに10年後には、イオンモール草津がオープン。
時期を同じくして、エイスクエアのリニューアル、フォレオのオープン、ピエリ守山のオープン、三井アウトレット竜王のオープンなどがあり、2010年前後には滋賀にショッピングセンター戦争が勃発した。

土地は余りがち、文化は不足気味、車でしか移動しない、人口は増えがち。

そんな滋賀県にはとにかく大型ショッピングセンターが必要とされている、のだろう。

しかし99年から滋賀を離れていた15年間の間に、随分とショッピングセンター事情が変わったように思える。
栄枯盛衰、盛者必衰なんて言葉があるが、まさにそうだ。

ショッピングセンターは客足が遠のくと、中の店舗はそそくさと退店して蛻(もぬけ)の殻になる。
残念ながら今のパワーセンター大津は、かなり寂しい状態だ。
和光デンキは倒産し、その後のジョーシンも無くなり、そして開店以来ずっとあったトイザらスも無くなってしまった。

あの時、和光デンキで見た人の渦は、どこに行ったのだろうか?
チラシが入った翌日には、景品交換のためのチラシの半券を持ってきたお客様に、延々とLEDライトとかハンカチとかを渡し続けたあの日のことをいまだに覚えている。
しかし、あの時のパワーは今のパワーセンター大津にはもう無い。ノンパワーセンターである。

そして近年の話題と言えば、やはりピエリ守山だろう。

ネット上で「明るい廃墟」などと不名誉に言われた時代があったことは記憶に新しいだろう。

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明るい廃墟時代のピエリ守山の写真。

不気味なほどテナントが撤退し尽くして、ほぼ何も無くなった巨大ショッピングセンター。

その理由はあちこちで語られているが、要は、移ろいやすい滋賀県人の興味の対象じゃなくなったということだろう。

「えぇ?ピエリ? あんなとこ、行かへんよ」

と思われたから、客足が遠のき、テナントも撤退したのだろう。

それがだ。

今やピエリ守山は別の運営会社により、廃墟時代なんか無かったかのように華麗に復活したのである。

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駐車場もほぼ満車。

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テナントは埋まりまくり。

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フードコートのナマステタージマハルも、美味すぎ。

一度「死んだ」ショッピングセンターが復活し、客足も復活する。
こんなことってありますかね?

まあ、ピエリ守山の規模からして客足はもっと必要なのだろうけど、それでもここまで持ってきたのは凄い。

「えぇ?ピエリ? あんなとこ、行かへんよ」
から
「ピエリ守山、行こか」
に、マインドが変わったわけでしょ?

並大抵のことではないよね。

お客さんは何を考えて、何を求めて、ショッピングセンターに行くのだろうか。
何が嫌で、ショッピングセンターに行かなくなるのか。

そんなことを、イオンモール草津、パルコ大津、ピエリ守山に行きながら考えた。

※2018年追記:パワーセンター大津は閉館して更地になりました。また、大津パルコも閉館してOh!Meという商業施設になりました。