野外DJの記録まとめ2023

大自然は最高のVJ

今年は野外でDJをやる機会が比較的多く、そのどれもが充実していたので、記録に残しておこうと思う。

野外DJと言っても音楽フェスではなく、ビアガーデンだったり盆踊りだったり夜市だったりマルシェだったりと、何かしらのイベントにBGM+αのような形で花を添えるようなDJ活動。

これの面白いところは、たまたまそこにいる方々に私の選曲した音楽がたまたま届く、というところにある。
〝そこにいる方々〟は予定調和どころか、私がどんな選曲をするのか、いや、そもそもDJとはナニモノか知らないかも知れない。
クラブでのDJとは違って、文法の共有が存在しないというか。

でも、何かしらの共鳴がなければ選曲の指針ができない。野外といっても、環境はさまざま。

どういうコンセプトのイベントなのか。
どこでやるのか。その土地で愛される音楽とはどんなものか。
来ている人々の年齢層は。
天気はどうか。周りの景色はどうか。
共演の演し物やバンドはどのような内容か。

そういうことを考えながら、その土地に音楽を選曲して馴染ませていく行為は、まさにDJ的である。

特に、天気や景色、時間に対して外さないことが大事だ。

晴れているのに雨の曲はおかしい。
真っ昼間なのに夜の曲はおかしい。
真夏なのに冬の曲はおかしい。
午前中なのに夕暮れの曲はおかしい。
など。この辺を律儀に守り、大自然に背かない選曲をくり返していくことで大自然がVJとして機能し始め、とても良い感じになる。

そうやって、その土地や空気に音楽を馴染ませるDJを「テロワールDJ」と名付けている。

テロワールDJ的なミッション
その場の空気を少し楽しいものにする。
そこで提供されるフードやドリンクをより美味しいものにする。(食欲をそそらせる!)
晴れても曇っても、雨が降っても、その雰囲気に合う選曲をする。
その土地で愛されてきた音楽を、老若男女みんなで楽しめるようにする。
音頭や民謡を大切にする。
偶然その場に来ていた旅人に、よい思い出となってもらう。
キッヅが楽しく遊べる、そして踊れる音楽空間作り。キッヅを踊らせれば大成功。

クラブDJとは少し違うけど、これもDJ。
そしてここから地域が話題になったり、盛り上がったりすれば最高だ。

5月 東京中野「四川フェス」

中野駅前のセントラルパークで開催された、四川料理専門の食フェス「四川フェス」
赤くて辛い料理が好きな人には天国というスパイシーなイベント。

四川フェスでは例年のごとくBGMを選曲している。

1日目は雨模様。PAブース、放送・DJブースは機材があるので、雨対策を念入りに。

三遊亭楽生さんとヤンチャンさんによる軽快なMCに、ぴったりと合うBGMを選曲していく。

飲食店や真面目な情報系の時は中国のインストゥルメンタルものを。
ちょっと盛り上げた方がよい時は、ビートの入った中国ポップスなどを。
トークが無いときは、J-POPで中華料理のことを歌っているアップテンポな曲を。
それぞれ、うるさくならないように選曲!

最高の麻婆豆腐がいっぱい!

白い麻婆豆腐なんてのもある。

汁なし担担麺、結構辛い!

2日目は晴れた!

面白いトークがあるので、基本的にBGMに徹している。

王文強さんによる変面ショーの音出しもこちらから!

みんな大興奮。
さすがです!

変面ショーで使われる音楽はこの曲が定番です。

続いて、くまモンさんの音出しもこちらから!

DJマリアージュさんによるDJも盛り上がり、終盤へ。

麻婆豆腐って素晴らしい!

そんなイベントです。

7月 北海道利尻島「みなとビアガーデン」

7月の海の日、北海道の利尻島で毎年開催されている「みなとビアガーデン」
今年からコロナ前の開催場所に戻っての通常開催で、多くのお客さんで盛り上がった。

朝8:30、小雨の中で現地集合。
設営からお手伝い(これが楽しい)

どう並べるかはどこにも書かれていない(!)ので、コロナ前の4年前に開催したときの写真をもとに再現するという。

風になびく大漁旗とスピーカー、後ろにはペシ岬。

DJブースはこんな感じ。
段ボールに手書きのプレートは、宿で手作りしたもの。
PCDJの弱点としてDJをしているように見えないので、こういうのが大事だ。

家庭用だけどJBLのスーパーウーファーを1台寄贈したのが今年。
これで低音がブンブン鳴るようになったので、みんなを結構踊らせた。
やはり踊るには低音が腰に来るのが大事である。
もう1台買って寄贈したいと思っている。利尻島にもっと低音を。

風が強くなくて良かった!
以前、突風でビールがPCの上にドバァーっとなったこともあったので要注意である。

なんとFREEウニなのだ。

盛り上がった!

横には利尻富士が、後ろには海がドーーーンと構える特別な場所。
音の鳴りが違います。

選曲の傾向としては、観光客の多い昼時は70年代のフォークソング、特に利尻島・礼文島のユースホステルで歌い継がれてきた曲、フェリーの見送りで歌われる曲、フェリーの船内でかかる曲などをプレイし、観光客の旅情を刺激するタイム。大好評でした。
そこから徐々に80年代ニューミュージックやシティポップに移り、札幌・北海道に関連する楽曲も織り交ぜていくように。
夕方、キッヅを対象にしたゲームタイム(船のアンカーロープをパネルに投げて落とす)が始まると一転、アニソンタイム。
夕方からはほぼ地元の人かスタッフだけの時間になるので、2010年台のロックを中心にプレイ。

北海道アンセムから全国に拡がった「南中ソーラン」こと伊藤多喜雄のTAKIO’S SORAN 2。
南中とは稚内南中学のことなので、そのお隣の利尻島でも子供達の定番曲である。

8月 滋賀県大津市「石山夜市」

こちらは超・地元。石山で夏に3週に渡って行われる「石山夜市」にてDJ!

普段は閑散としてる商店街なのに、この日ばかりはめっちゃ人が来るんです。

いつものシステム。RELOOP READY + VirtualDJ + AUDIEND iD4mkII + ThinkPad。この日はiD4mkIIの初使用日。
DIインプットに直で音を渡すのがいかにも野外DJといった感じだけど、こういう時にiD4mkIIでマスター音量を微調整できるのがいい。

暗くなるとさらに盛り上がるのが夜市。

ブース横のステージではライブが。
川本勇さんのU★TIME BANDの様子!

最後の曲はJABBERLOOPによる琵琶湖周航の歌で〆!
これ最高なんだ。

9月 滋賀県大津市「ビワコイ祭り」

年に一度、浜大津湖岸の広場で開催される「ビワコイ祭り」は、滋賀発祥の江州音頭を中心に、さまざまなステージや出店で盛り上がる2日間。

今年は会場BGMだけでなく、DJタイムももらいました!

ステージを使った様々な演目で盛り上がるビワコイ祭り。

ブースはステージ横のこんな感じ!

演目の合間合間に、ここからナイスサウンドをお届け。

今回からPCがThinkPad X13 Gen4にリニューアルし、モニターが有機ELになったので、直射日光が当たっても画面が見やすくなった。
野外DJにはモニターの明るさが超大事!

PAブースまで15メートルくらい離れているので、長いケーブルが必要。
そういう時にはRCA端子のケーブルよりも、TRS端子のケーブルを使うとバランス接続ができるので、ノイズ対策には有効。

とはいえこういうパーソナルシェルターがある方が画面は見やすいことに変わりはない。
あと、直射日光による本体温度向上対策として、外部クーラーなども検討していきたい。

そしてステージ上でのDJタイム開始!
後ろには雄大な琵琶湖がドーンと構える特別な場所。音の鳴りが違います。

定番のJ-POPと洋楽をディスコな感じでミックス!
盛り上がりましたね。

DJのあとは江州音頭タイム。これぞ滋賀の盆踊り!
ラストは花火が上がり、少しBGMを流して終わり。

ビワコイ祭り、2日目開始!

前日同様、BGM出し、からのオンステージDJへ。

2日目は、ダンサーチームとして出演された「スターダスト河内」の皆さんに音頭をとってもらい、サークルを作っての盆踊りDJスタイルで!
そしてDJとして一度やってみたかった盆踊りでダンシングヒーローをかける、を達成!嬉しい!

ビワコイ祭りに合わせた選曲をして、老若男女、江州音頭の師匠さんまで踊って頂き、DJ冥利に尽きる。

ラストの江州音頭タイムでは、ステージの周りをぐるっと回るように踊り続ける1時間半!

花火が上がり、ラストの曲はこれ。これで夏が終わる。

11月 滋賀県守山市「びわ湖手作り市」

滋賀の守山にある「びわこ地球市民の森」で開催されたマルシェ「びわ湖手作り市」にて4時間ほどDJロングプレイ。

利尻島で作った段ボールネームプレート、まだ使う。酷使。
この日は完全にBGMに徹する感じのプレイだけど、丸~い丘みたいな所の真ん中にPAブースとDJブースが設置され、その周りに円周状にマルシェ出店ブースが配置される特殊な配置で面白かった。

全てが遠い! なにこれ!!

こんな具合に。
出店ブースからは落ち着いた音量のBGMとして聞こえるので、しっとり気味の選曲で。

しかし途中で雨が降り、PA・DJブースごと屋根が常設された所に移動し、丘の上DJじゃなくなったけど、移動してしばらくしたら青空。天気だけは分からない。

でも、雨が降れば雨の曲、雨が上がって日が差し込めば雨上がりで晴れてきたという曲、西日が射してきたら夕方の曲と、天候や空模様は自然のVJで、そこに合わせて和モノ選曲していくのが私の野外DJスタイル。そうすると「今まさにこの曲!最高!」という瞬間が何度も訪れるんです。面白い1日でした。

というわけで、野外DJのオファーもどしどしお待ちしております!!