山梨に気になるゲストハウスがあって
近年、全国各地に開業しているゲストハウス。
様々な趣向を凝らした個性的な宿も多く、家のような居心地があったり、オーナーや他の宿泊客との出会いがあることが、ホテルや民宿とは違ってゲストハウスだけの醍醐味だろう。
そんな魅力にとりつかれた自分も、すっかりゲストハウス大好き人間である。
さて、山梨は石和温泉に気になるゲストハウスがあるので行ってきた。
山梨…どうやって行くの?と思われるかも知れないが、首都圏からだと意外と近い。
ざっくりと言えば
東京からJR中央本線をひたすら西に行き、八王子や高尾を越えてしばらくすると山梨県。
あるいは車だと、中央自動車道をひたすら西に行き、相模湖を越えたら山梨県だ。
そのゲストハウスは、甲府盆地の東側にある温泉地「石和温泉」(いさわおんせん)にある。
あれっ?普通の家?
と思いきや
鉄道ゲストハウス 鐵ノ家
ここか~!
「鐵ノ家」オーナーの山田さんにご挨拶して、導かれるままに中に入ってチェックインをしようとすると
うわ、すげ!
ここは駅か!?
いきなり数多くの鉄道グッズに突然圧倒される。
ここはコミュニティースペースで、他の宿泊客と一緒にお酒を飲んだりすることもできる団らんスペースだ。
数々の鉄道本、旅本コレクション!
阪急電車も!
京急も!
ドリンクコーナーもあるのがうれしい!
すぐ隣をJR中央本線が走り抜けていく部屋!
チェックインを済ませて、今回泊る部屋に行く。
廊下に飾られた「あずさ」「かいじ」のヘッドマークと車両が気になりながらも部屋に行くと、
建物の外観からは想像もつかないほど綺麗!!
昨年5月にオープンしたばかりということもあってか、畳も布団も何もかもが綺麗で最高。
こんな良い部屋、ホントにいいの?
しばらくすると、窓の外からゴーーーって音がする。
電車だ!
宿のすぐ裏手にはJR中央本線が走っており、特急かいじや普通列車、貨物列車が時折通り抜ける。
その様子も窓から見ることが出来るのだ。
普通は線路脇の物件って騒音の面で敬遠されるものだが、オーナーの山田さん曰く
「鉄道が見たいんで、線路の真横にある物件を選びました」
うお~!攻めてる!!!
線路脇にあることを、泊まる人がみんな歓迎するっていうね。素晴らしい。
徹底的に作り込まれた驚異のジオラマルーム
そして、下の階に降り…
レイアウトルームのドアを開けば…
超巨大ジオラマ!!!
二部屋分をぶち抜いて作られた、Nゲージのジオラマが鎮座している!!
駅は6番線まであり…
街の中も精巧に作られ…
踏切の警報器は点滅し…
トンネルもあれば
橋げたもあり
川は流れ
観覧車は回り
100系新幹線は爆走し
宿の裏手の中央線も走る高級寝台車「TRAIN SUITE 四季島」号も走り
新幹線は新幹線ホームに到着し
在来線もどんどんホームに到着し、また出発…
パワーユニットは全部で6系統用意され、6人同時に運転ができるようになっている。
いや~ちょっと…この規模、この精巧さ、凄すぎませんか!?
あの…ゲストハウス、ですよねここ?
このレイアウトは貸し切りで使うこともでき、自分の車両を持ち込んで走らせることも可能だという。
この日も地元山梨の鉄道好きな男子らが集まって、様々な車両を持ち込んでいた。
僕は鉄道好きだけど鉄道模型には全然詳しくない。
でも、これだけの規模のジオラマを前にして、「鉄道模型ならずっと見ていられる」とばかりに何時間もぐるぐる走らせてはキャッキャと盛り上がっている鉄道好き男子たちの様子は物凄くピースフルだ。
これは絶対楽しいやつだな…
ああ、こういう空間、良いなあ。オーナーはこういう空間が創りたかったのだろうなぁ。
本物の方向指示幕もある!
夜景運転も可能!
そしてもう一つ、築50年らしいこの日本家屋で、ジオラマ部屋はもちろん、コミュニティースペースにも数多くの電化製品があるにも関わらず、その配線のためのコード類が整理されて美しく隠されており、全くゴチャゴチャしていないところが気持ちいい!
温泉もしっかり堪能できる
鐵ノ家には春日居温泉の源泉から供給された温泉風呂がある。
ph9.6のアルカリ性単純温泉で、肌がツルツルになる。
お風呂場の近くにはプラレールが潤沢に用意されたこんな部屋もある!
トイレの便座には鉄道クイズが!
この答えを知りたかったら…
便座を閉める、と。
便座を閉めてもらうためのおもしろ仕掛けが鉄道ネタ!
ほうとうを食べたくなったら
山梨といえばほうとう!
食べたくなったら、宿からは少し歩いたところ(※車だとすぐ)に、ナイスなほうとう屋さん「百聞」もある。
その他定食屋、居酒屋、コンビニもあるので安心である。
オーナーのあふれる鉄道愛が、居場所を作った
いや~それにしても、ここまで突き抜けたゲストハウスはなかなか無い。
鐵ノ家 オーナーの山田さんのブログによると、サラリーマン生活を辞めてゲストハウスを始めたのだとか。
そしてこのエントリにある一文が、妙に刺さってしまった。
私は元々大手電機メーカの技術営業としてバリバリ働いていました。
私は旅行も趣味なので忙しくてもたまの休みには旅行に行っていました。
当時は安いからと理由でゲストハウスに泊まっていましたが、旅先で今日初めて会った人と酒を酌み交わしながら話をするとすごく心が軽くなって東京に戻っても頑張ることができてました。しかしながら、たまに吐き出しても休みのない生活の負債はどんどん貯まって行って、結局うつ病になってしまいました。
その後復職したのですが、前のように無心でバリバリ働くことができなくなってました。
将来に不安を感じつつ休職と復職を繰り返しながら、その頃にはゲストハウスに行くことも目的の一つとして旅行をしていました。ある宿の滞在中に、東京の近くにこんな場所があって定期的に通っていたら人生変わっていたんじゃないかとふと思ったのです。
何かもう、痛いほど分かるその気持ち…
これ、僕のことですか?みたいな。
旅に出て心を軽くするけど、帰ってきたら中々のハードモードだったり、その繰り返しで。
僕が旅をするのもまさにこれ「旅先で今日初めて会った人と酒を酌み交わしながら話をするとすごく心が軽くなる」、だったりする。
それが一番の醍醐味だろうと思う。旅はセラピーだ。
そこでゲストハウスを作って、趣味が合う仲間が集い合える空間を創るというのは、まさに男の夢だ。
資金的なものはもちろん、リノベーションから何から何まで大変な苦労の連続でこの空間が出来たことは想像に難しくない。
そうやって出来た心地よい空間が、また別の「旅に出て話して遊んで心を軽くしたい」と思っている人達を癒していく。
まさに、やさしい「居場所」だ。
この日も夜中まで酒を飲みつつ、オーナーの山田さんや他の宿泊客や鉄道模型な男の子らと喋って盛り上がった。
また必ず来ようと思います!
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