平成も終わろうかとしているこの時代に、たこ焼きが100円という店があって

僕の出身地でもある滋賀県大津市の石山駅前には石山商店街という古い商店街がある。

かつては東レとNECの企業城下町だった石山駅周辺も、今や新築マンションがガンガン建って、新快速で京都や大阪に通勤する人達のベッドタウンに。

そのおかげか、一度は衰退したように見えていた石山商店街が、ここ数年は賑わいが戻っているように思える。
小学生時代から石山商店街を知っている身としては不思議な感覚だ。

たまに帰省して商店街を歩いたら、知らない店が新規オープンしていることが結構多い。
喜ばしいことだ。

石山の象徴(?)だった「平和堂石山店」は老朽化により解体作業中。
ここの5階のゲーセン、部活の試合帰りとかによく行ったなぁ、とか。

京阪石坂線と国道1号線の高架がクロスするあたりに、その店はある。

「大倉たこやき店」!

その名の通りたこ焼き店だ。知っている限り、小学生くらいの時からここにあり、ずっとこの店構えのまま、何も変わっていない。
周りにどれだけ新築マンションが建って、商店街が一度廃れたけどまた賑わってきて、平和堂石山店が解体されようとも、この「大倉たこやき店」は1ミリも変わっていないのだ。

まず、値段が変わっていない。たこやき5個で100円、なのである。

昔は6個で100円だった気がするが、これは原油価格の上昇などが原因(推測)なので仕方ない。100円は100円なのである。

今や全国的に、たこ焼きなんてのは6個で500円くらいが相場ではないだろうか。

それがここは5個で100円という、昭和価格のままなのだ。
昭和天皇はまだ崩御してないし、バブルも弾けてないし、ワリチョーとかマル優とか中国ファンドでみんな財テクしてるのである。

店内も、あの頃と全く何も変わっていない。椅子もテーブルも、その配置も、薄暗くて陰気な蛍光灯も、全く同じだ。

お好み焼きや焼きそばもある。そしてビールですら250円の爆裂価格だ。

コミックが異様に充実している。
当時中学生くらいだった僕は、たこ焼きを食べながらこれを読んだりしていたのだった。

で、これが5個で100円のたこ焼き!

マヨネーズはオプションで20円となっている。

正直、タコが入ってたり入ってなかったりするし、「築地銀だこ」のような手の込んだ高級たこ焼きとは全く違う食べ物なのだが、そんなことはどうでもいいじゃないか。

100円のワンコインで、アツアツのたこ焼きが食べられて、漫画も読み放題。
平成ももうすぐ終わろうとしているこの時代に、そんなスペースが残っていること自体、凄いことだと思うわけです。

石山に行ったら是非、これを。